“そんなこと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
那樣事28.6%
其麽事28.6%
其様事14.3%
其樣事14.3%
其那事14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けません、けません! 那樣事そんなことせてもいとはたれからも言付いひつかりません。御存ごぞんじでせう。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
『まあ!』と心から驚いた樣な聲を出して、智惠子は涼しい眼をみはつた。『其麽事そんなこと被仰おつしやるるもんぢやないわ。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「あら、梅子さん、いやですことねエ、——結婚すると御友達と疎遠になるなんて皆様仰しやるんですけれど、貴嬢まで矢張やつぱり其様事そんなことを仰つしやらうとは思ひも寄りませんでしたよ」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
先刻せんこくたきのやうに降注ふりそゝいだ雨水あめみづは、艇底ていてい一面いちめんたまつてる、隨分ずいぶん生温なまぬるい、いやあぢだが、其樣事そんなことは云つてられぬ。兩手りようてすくつて、うしのやうにんだ。
其那事そんなことではむしろ其儘そのまま中学をえて予備門へ入った方が、年数の上から云っても利益であったが、私ばかりではない、私と同じような径路をもって進んだ人が沢山たくさんあった。
私の経過した学生時代 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)