トップ
>
運命
>
さだめ
ふりがな文庫
“
運命
(
さだめ
)” の例文
それが私の身にかかっている命の預言、それが私のこの世の
運命
(
さだめ
)
。(二三度機を織り)私はどうしてもあの塔へ行く気にはなれぬ。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
女はただの一日一刻のあいだにもその
運命
(
さだめ
)
がどう変るかも分りませぬし、変るものもさだめのつねのようにおもわれます。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
そのお方は、人の生命を司る
運命
(
さだめ
)
と、宿縁をないがしろにする者のかなしみとを、後代のものに示さんとおぼし召されて、これなる竜の手をお遺しなされた。
釘抜藤吉捕物覚書:12 悲願百両
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
貴方の幻だけはかたく胸に抱きしめて——あの気高くも
運命
(
さだめ
)
はかなき
海賊
(
コルサール
)
、いいえ、男爵海軍少佐テオバルト・フォン・エッセンは、死にさえも打ち
捷
(
か
)
って
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
彼にはこの生きる
運命
(
さだめ
)
が死ぬ
運命
(
さだめ
)
よりも悲しかった。怒りの火炎が眼に燃えて、脣が反った。
琴
(新字新仮名)
/
フィオナ・マクラウド
(著)
▼ もっと見る
それから、その永遠と対比された地上のなべてのものの
運命
(
さだめ
)
をもはっきりと見ておられる。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
世間の噂は皆
実正
(
まこと
)
なり。われと吾身に計り知られぬ罪業を重ねし身。天下、身を置くに処無し。
流石
(
さすが
)
法体
(
ほつたい
)
の身の、かゝる処に来合はせし事、天の与ふる
運命
(
さだめ
)
にやあらんずらん。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
左様
(
さよう
)
——そなたの人相、
気魄
(
きはく
)
をうかがうに、一かたならぬ望みを持つものと観た——と、いうても驚くことはない——わしは、自体他人の
運命
(
さだめ
)
を
占
(
うら
)
のうて、
生業
(
なりわい
)
を立てるもの——何も
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
今の我に世なく神なくほとけなし
運命
(
さだめ
)
するどき斧ふるひ来よ
恋衣
(新字旧仮名)
/
山川登美子
、
増田雅子
、
与謝野晶子
(著)
「いっそ、
目白
(
めじろ
)
がよかろ。目白になって
陽
(
ひ
)
なたの丘の
竹藪
(
たけやぶ
)
で、日がないちにち
啼
(
な
)
き暮すことじゃ。そいでん、子供たちにつかまって、
籠
(
かご
)
んなかに入れられてしまえば、また鶏どんと同じ
運命
(
さだめ
)
になる道理じゃ」
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
光
(
ひかり
)
を慕ふ身なれども
運命
(
さだめ
)
かなしや
老鳥
(
おいどり
)
の
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
酷
(
むご
)
き
運命
(
さだめ
)
のいたましき
宝物
(
ほうもつ
)
は、
徐
(
おもむ
)
ろに
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「これも、
運命
(
さだめ
)
で、ござりましょう」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
辻
(
つじ
)
馬車と四輪の馬車と同じ
運命
(
さだめ
)
の
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そのふしぎな心の
運命
(
さだめ
)
を織る。
藍色の蟇
(新字旧仮名)
/
大手拓次
(著)
能登
(
のと
)
の
畑
(
はた
)
打つ
運命
(
さだめ
)
にや生れけん
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
目的
(
めあて
)
知らねば
運命
(
さだめ
)
のまゝに
小曲二十篇
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
影もさびしき故国の
運命
(
さだめ
)
に
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そを棄てて
運命
(
さだめ
)
の
啓示
(
さとし
)
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
わが
運命
(
さだめ
)
を知りしのち
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
恨みなはてぞ世の
運命
(
さだめ
)
天地有情
(旧字旧仮名)
/
土井晩翠
(著)
世の
運命
(
さだめ
)
をし思ふにも。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
運命
(
さだめ
)
悲しや
蛇苺
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
それが私の身にふりかかっている、命の預言! この世の
運命
(
さだめ
)
……そんなことがあるものか、私は長く長く此処に居て、五色の糸を織る身じゃもの。
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いいえ、そのことについては、私、少しもお怨みはしておりませんの、何事も、
運命
(
さだめ
)
ですわ。それに、父の方だって、私の知らない間に、大変悪いことをして……」
地虫
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
運命
(
さだめ
)
知らぬ
操
(
あやつ
)
りの糸——これも離在する雲竜二刀がかげにあってひくのであろうか。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
二度と出られぬ煉瓦の地獄じゃ。「違う違う」と云い訳したとて。それが、そのまま「キの字」の証拠と。今も昔も変らぬ
運命
(
さだめ
)
じゃ。放火狂じゃと
診察
(
みこみ
)
をつけて。八百屋お七を解剖したらば。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
みづからの
運命
(
さだめ
)
知りつゝなほ高く
上
(
のぼ
)
らむとする
人間
(
ひと
)
よ切なし
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
賽
(
さい
)
の目の仮の
運命
(
さだめ
)
よ
絵双六
(
えすごろく
)
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
運命
(
さだめ
)
? さなり
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
運命
(
さだめ
)
の車いと暗き
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
助けられ、あなたにお逢い致したればこそ、こういう
運命
(
さだめ
)
にもなりました。このように思えば悪侍の石川五右衛門というあの男も私には悪く思われませぬ
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
救いを求める人と、救う目的でさがす人とが一度はこんなに近く寄りながら、たがいに相手を知らずにそのまま過ぎてしまう——これも人間一生の
運命
(
さだめ
)
を作る小さなはずみのひとつかも知れなかった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
人間の夢も
愛情
(
なさけ
)
も亡びなむこの
地球
(
ほし
)
の
運命
(
さだめ
)
かなしと思ふ
和歌でない歌
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
秋風やとある女の
或
(
あ
)
る
運命
(
さだめ
)
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
山尾は歩きながらも不思議の
運命
(
さだめ
)
を、繰り返し胸で思って見た。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
黄なる糸
運命
(
さだめ
)
の糸を
レモンの花の咲く丘へ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“運命”の解説
運命(うんめい、la: fatum、en: fate、destiny)とは、超自然的な対象、または哲学をはじめとする学問の研究対象である。
以下は運命のディクショナリーにおける定義である。
人間の意志をこえて、人間に幸福や不幸を与える力のこと。あるいは、そうした力によってやってくる幸福や不幸、それの巡り合わせのこと。
人生は天の命によって定められているとする思想に基づいて考えられている、人の意思をこえて身の上に起きる禍福。
将来のなりゆき。
命運(めいうん)とも。
(出典:Wikipedia)
運
常用漢字
小3
部首:⾡
12画
命
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“運命”で始まる語句
運命的
運命神
運命線
運命論
運命の子
運命の先行者