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みじたく
ふりがな文庫
“
身仕度
(
みじたく
)” の例文
王子は
身仕度
(
みじたく
)
をし、長い
外套
(
がいとう
)
をつけ
円
(
まる
)
い帽子をかぶり、短い剣を
腰
(
こし
)
にさして、誰にも気づかれないように、そっと城をぬけ出しました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
髪粧
(
かみよそお
)
い、何かの
身仕度
(
みじたく
)
を小まめにととのえていたものでしょう、あとは、草履の
紐
(
ひも
)
を結ぶばかりに、すっかり身ごしらえを済ましている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身仕度
(
みじたく
)
を整えた伝吉は
長脇差
(
ながわきざし
)
を引き抜いた
後
(
のち
)
、がらりと地蔵堂の
門障子
(
かどしょうじ
)
をあけた。
囲炉裡
(
いろり
)
の前には坊主が一人、
楽々
(
らくらく
)
と足を投げ出していた。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三吉は二階から下りて来て、
身仕度
(
みじたく
)
を始めた。お倉は未だ話し込んでいた。お雪は
白足袋
(
しろたび
)
の洗濯したのを幾足か取出して見て
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
船長は、舵機室に上るために、急いで、
身仕度
(
みじたく
)
もせずにドアーを開けようとした。然し、まだ開けないうちだった。いきなり、浅川が船長の右肩をつかんだ。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
▼ もっと見る
暫
(
しばら
)
くして彼は寝台に起き直り、ゆっくりした動作で
身仕度
(
みじたく
)
を
済
(
す
)
ませ長靴をつけた。粗末な小屋なので動く度に床がきしみ、腕が触れる毎に壁はばさばさと鳴った。
日の果て
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
別に
身仕度
(
みじたく
)
の必要もない私
等
(
ら
)
は、旅行といっても至極簡単で、身柄一つで列車に乗込めばよかった。
火縄銃
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
丹後守は兵馬をつれて邸内の道場へ来ると、今まで話が
槍術
(
そうじゅつ
)
に
亘
(
わた
)
ることをすら避けていたのに、ここで我から進んで
身仕度
(
みじたく
)
をして
襷
(
たすき
)
をかけ、稽古槍を取り下ろしました。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
天外
(
てんぐわい
)
萬里
(
ばんり
)
の
異邦
(
ゐほう
)
では、
初對面
(
しよたいめん
)
の
人
(
ひと
)
でも、
同
(
おな
)
じ
山河
(
やまかは
)
の
生
(
うま
)
れと
聞
(
き
)
けば
懷
(
なつ
)
かしきに、まして
昔馴染
(
むかしなじみ
)
の
其人
(
そのひと
)
が、
現在
(
げんざい
)
此
(
この
)
地
(
ち
)
にありと
聞
(
き
)
いては
矢
(
や
)
も
楯
(
たて
)
も
堪
(
たま
)
らない、
私
(
わたくし
)
は
直
(
す
)
ぐと
身仕度
(
みじたく
)
を
整
(
とゝの
)
へて
旅亭
(
やどや
)
を
出
(
で
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
此儘
(
このまゝ
)
すぐにとそこ/\
身仕度
(
みじたく
)
して
庭口
(
にはぐち
)
出
(
い
)
でんとする
途端
(
とたん
)
孃
(
ぢやう
)
さま
今日
(
けふ
)
もお
出
(
で
)
かけか
何處
(
どこ
)
へぞと
勘藏
(
かんざう
)
がぎろ/\
目
(
め
)
恐
(
おそ
)
ろしけれど
臆
(
おく
)
してなるまじと
態
(
わざ
)
とつくる
笑顏
(
ゑがほ
)
愛
(
あい
)
らしく
今日
(
けふ
)
もとは
勘藏
(
かんざう
)
酷
(
ひど
)
いぞや
今日
(
けふ
)
はと
言
(
い
)
はねばてにを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼は恐怖と
嫌悪
(
けんお
)
とに、わななく歯を噛みしめながら、そっと
生暖
(
なまあたたか
)
い寝床を
辷
(
すべ
)
り脱けた。そうして素早く
身仕度
(
みじたく
)
をすると、あの猿のような老婆も感づかないほど、こっそり洞穴の外へ忍んで出た。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
仕
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
度
常用漢字
小3
部首:⼴
9画
“身仕”で始まる語句
身仕舞