かっ)” の例文
蕃書調所に入門その前に私が横浜にいった時にキニツフルの店で薄い蘭英会話書を二冊かって来た。ソレをひとりよむとした所で字書じしょがない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
手に薬屋からかって来た、キナエンの薬袋を持ってうちへ入った。——風が少し出て来た。間もなく、お島の家の低い窓から真青なけむりが上り始めた。
(新字新仮名) / 小川未明(著)
遠くも無い寺まいりして御先祖様の墓にしきみ一束手向たむくやすさより孫娘に友禅ゆうぜんかっきせる苦しい方がかえっ仕易しやすいから不思議だ、損徳を算盤そろばんではじき出したら
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
友之助はお村に云い付けて、斯う云う時に御恩を返さなければならん、お前おかずこしらえるのが面倒なら、料理屋からかってゞもいゝから毎日何か旦那の所へ持っていってお上げ。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
自分で上等も無いもんですが、先日上京した時、銀座の亀屋かめやへ行って最上のをれろと内証ないしょうで三本かって来て此処ここかくして置いたのです、一本は最早もうたいらげて空罎あきびん滑川なめりがわに投げ込みました。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
余は必ず深き思惑の有る可しと疑いめしに果せるかな彼れたちまち語調を変じ「夫はそうとしてお前あの、伯父を殺した短銃ぴすとる何所どこかった」余は藻西が何と答うるにやと殆ど気遣きづかわしさに堪えず手に汗を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
来会者の一人進みで「なるほどおっしゃる通り鳥屋でかった肉はどうしても味がありません。肉がこわいばかりでなく肉に味がありません。あれはどういう訳でしょう」中川「それは致方いたしかたもありません。 ...
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
誠に船の中は大変な混雑であった(桑港着船の上、艦長の奮発で水夫共に長靴を一足ずつかっやって夫れから大に体裁がくなった)
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「高くかってやるよ。町で売れるより高く買てやる……。」
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うっかりかったくされ卵子たまご
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ソレは乗らぬことにして、その少しきに下駄屋が見えるから、下駄屋へよって下駄一足に傘一本かって両方で二しゅ余り、三朱出ない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
娘の嫁入前よめいりまえ母子ぼしともにいそがわしきは、仕度の品をかってこれを製するがために非ず、その品を造るがためなり。あるいはこれを買うときは、そのこれを買うのぜにを作るがためなり。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)