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讃嘆
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さんたん
ふりがな文庫
“
讃嘆
(
さんたん
)” の例文
いつもの彼であれば、芸人
冥利
(
みょうり
)
、
讃嘆
(
さんたん
)
のささやきを呟いてくれる、そうした人たちの方へ、礼ごころの
一瞥
(
いちべつ
)
はあたえたかも知れない。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
と
仏国禅師
(
ぶっこくぜんじ
)
は、善財の求道の旅を
讃嘆
(
さんたん
)
しておりますが、いうまでもなく、獅子とは、文殊菩薩のこと、象王とは普賢菩薩のことです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
逸作は実に心中
讃嘆
(
さんたん
)
し
度
(
た
)
いような気持もあり
乍
(
なが
)
ら、口ではふだんからかの女に「芸術餓鬼」などとあだ名をつけてからかって居る。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
祝着
(
しゅうちゃく
)
です」と勅使も、
讃嘆
(
さんたん
)
を惜しまなかったが——「ところで、三将軍の内、
彭玘
(
ほうき
)
将軍ひとりがここにお見えでないが?」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はことさらに叔父の前に
滔々
(
とうとう
)
と維新の大業を論じ、上は村田清風から下は
山県有朋
(
やまがたありとも
)
に至る長州の人材を
讃嘆
(
さんたん
)
した。
大導寺信輔の半生:――或精神的風景画――
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
彼は、
讃嘆
(
さんたん
)
の表情をかくすことができなかった。髪が少し乱れ、化粧もしていない顔だったが、女は充分に若く、美しく、魅力的な、あざやかな目鼻立ちをしていた。
待っている女
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
爾迦夷
(
るかい
)
、
則
(
すなわ
)
ち
両翼
(
りょうよく
)
を開張し、
虔
(
うやうや
)
しく
頸
(
くび
)
を垂れて座を
離
(
はな
)
れ、低く
飛揚
(
ひよう
)
して疾翔大力を
讃嘆
(
さんたん
)
すること
三匝
(
さんそう
)
にして、
徐
(
おもむろ
)
に座に復し、
拝跪
(
はいき
)
して
唯
(
ただ
)
願うらく、疾翔大力、疾翔大力
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
わたしはその台所に入ってみて、いつものことながら、イギリスの旅館の、あの便利さ、きちんとした
綺麗
(
きれい
)
さ、そして、ゆったりとして素朴な楽しさを
讃嘆
(
さんたん
)
したのである。
駅馬車
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
人々はその事実を語り合って、皆検事の巧妙さを
讃嘆
(
さんたん
)
した。彼は嫉妬心を利用して、怒りの念によって真実を現わさせ、
復讐心
(
ふくしゅうしん
)
から正義を引き出したのであると言われた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
考証をとおして語られたこの像への
讃嘆
(
さんたん
)
がいかにも柔軟に美しかったからであるが、私自身は観音さまが大好きであるという単純な理由のもとに、なおさら同感したのであった。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
瑠璃子夫人こそ、白金の時計を返すべき当の本人であることが
解
(
わか
)
ると、夫人の美しさや気高さに対する
讃嘆
(
さんたん
)
の心は、影もなくなって、憎悪と軽い恐怖とが、信一郎の心に
湧
(
わ
)
いた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
レーニは一種の誇らしさをもって、Kが
讃嘆
(
さんたん
)
しながら自分の二本の指を何度も何度もあけたりすぼめたりする様子をながめていたが、最後にKはその指にさっと
接吻
(
せっぷん
)
して、放した。
審判
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
心の底から、
溜息
(
ためいき
)
をついて、
讃嘆
(
さんたん
)
するのである。これがほとんど毎朝のことだ。松の種子から松の芽の出かかっているのを見て、なんたる不思議さよと眼を
瞠
(
みは
)
るのも、この男である。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
古作品がとりわけ美しいのは、そこに時代を超えたいつも新たな美があるからである。真の鑑賞は復古の心ではない。またそうであってはならぬ。永遠の相への
讃嘆
(
さんたん
)
でなければならぬ。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
きけな神恋はすみれの紫にゆふべの春の
讃嘆
(
さんたん
)
のこゑ
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
彼は
讃嘆
(
さんたん
)
する様に云った。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あゝ
讃嘆
(
さんたん
)
と
青春
(
せいしゆん
)
の
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
巧
(
たくみ
)
な化粧で
変貌
(
へんぼう
)
したX夫人を先年某料亭で見て変貌以前を知って居る私が眼前のX夫人の美に
見惚
(
みほ
)
れ乍ら麻川氏と一緒に単純に
讃嘆
(
さんたん
)
出来なかった事
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
爾迦夷
(
るかい
)
、
則
(
すなわ
)
ち
両翼
(
りょうよく
)
を開張し、
虔
(
うやうや
)
しく
頸
(
くび
)
を垂れて座を
離
(
はな
)
れ、低く
飛揚
(
ひよう
)
して疾翔大力を
讃嘆
(
さんたん
)
すること
三匝
(
さんそう
)
にして、
徐
(
おもむろ
)
に座に復し、
拝跪
(
はいき
)
して
唯
(
ただ
)
願うらく、疾翔大力、疾翔大力
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「光容円備、不異神功」と旧記の
讃嘆
(
さんたん
)
せるような大観世音菩薩が
刺繍
(
ししゅう
)
されていたという。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
彼は御馳走もほとんど口にせず、何もかも忘れて花嫁を
讃嘆
(
さんたん
)
しているようだった。彼は他人に聞かれないような低い声で話した。愛の言葉というものは、決して大きな声で話すものではない。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
動き
易
(
やす
)
い都の人心は、十年
讃嘆
(
さんたん
)
し続けた藤十郎の王座から、ともすれば離れ始めそうな
気勢
(
けはい
)
を示した。万太夫座の木戸よりも、半左衛門座の木戸の方へと、より沢山の群衆が、流れ始めていた。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
X夫人の美を
讃嘆
(
さんたん
)
して居ながら、何かにせものを随喜して居るような、自分を、麻川氏を、馬鹿にしてやり
度
(
た
)
いような、と云って馬鹿に出来ないような
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
爾迦夷
則
(
すなわ
)
ち
両翼
(
りょうよく
)
を開張し、
虔
(
うやうや
)
しく
頸
(
くび
)
を垂れて座を
離
(
はな
)
れ、低く
飛揚
(
ひよう
)
して疾翔大力を
讃嘆
(
さんたん
)
すること
三匝
(
さんそう
)
にして、
徐
(
おもむろ
)
に座に復し、
拝跪
(
はいき
)
して願うらく疾翔大力、疾翔大力、ただ我
等
(
ら
)
が
為
(
ため
)
にこれを説き給え。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
信一郎は、心から夫人の
秀
(
すぐ
)
れた見識を
讃嘆
(
さんたん
)
した。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「ははあ、
讃嘆
(
さんたん
)
して居られますな。」
鶴は病みき
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
“讃嘆”の意味
《名詞》
讃 嘆(さんたん、さんだん 「賛嘆」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
賛嘆の別表記。
(出典:Wiktionary)
讃
漢検準1級
部首:⾔
22画
嘆
常用漢字
中学
部首:⼝
13画
“讃”で始まる語句
讃
讃岐
讃美
讃辞
讃歌
讃美歌
讃州
讃甘
讃仰
讃歎