請合うけあひ)” の例文
「道は大通りを教へましたがね、あつしは拔け裏傳ひに來たから、曲りくねつてもう二三度道を訊いてゐるうちに請合うけあひ晝頃になる」
請合うけあひでございますよ。およそ世界にそんな眞黒な顏をしてゐるのは、あなたと海坊主のほかはございますまい。はゝゝゝゝゝ。
能因法師 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
それから又、教育雑誌を成るべく沢山買つて置いて、あの男が来た時机の上に列べて見せると、屹度きつと昇給さして呉れる。これは請合うけあひである。
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
帳場ちやうばから此處こゝまゐうちも、とほりの大汗おほあせと、四人よつたり車夫しやふくちそろへ、精一杯せいいつぱい後押あとおしで、おともはいたしてまするけれども、前途さきのお請合うけあひはいたされず。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「確かに檀那様のお帽子だとお請合うけあひは出来ませんが、檀那様が私にお預けになつたのはたしかにこれでげすよ。」
其節は主税之助も屹度きつと請合うけあひ私ども兩人ならびそう右衞門等證人同樣其せきまかり在候所主税之助實子すけ五郎出生の後は先平助遺言ゆゐごんもどり我が子に家督かとくつがせんと種々しゆ/″\惡謀あくぼうかまへ藤五郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
甘いこと請合うけあひなりと言へり。
荷風戦後日歴 第一 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
否應いやおうなしに縛つてしまひましたが、兎も角親分が歸るまで、そつとして考へさせてあります。今頃は請合うけあひ白状はくじやうし度いやうな心持になつて居るでせうよ
心快こゝろよく請合うけあひけるにぞ半四郎は大いに悦び夫は千萬忝けなし夫にてまづ安心あんしん致したりしかしながら此金は兎も角も貴樣があづかおいくだされよと金子二十兩をかへして渡しあつく夫婦の身の上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「御前、大丈夫でございます、この御容体ようだいぢや百歳までは屹度お請合うけあひが出来ます。」
「此處は江戸の眞ん中ぢやねえ、武州忍ぶしうをし、阿部豊後守樣十萬石の御城下だ、そんな風をして、後生大事に懷中を押へて歩くと、請合うけあひ牛蒡ごばう泥棒と間違へられる」
なしけるが新道の玄柳げんりう方にて調合てうがふなしもらはんと出行いでゆくていゆゑ素知そしらぬかほ臺所だいところ立戻たちもどりたり又彼の玄柳げんりうは毒藥のことを請合うけあひけれども針醫はりいの事なれば毒藥どくやくもとめんことかたしと思へば風藥かぜぐすりふく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大人おとなの手の平の中に隱れるほどの小さいもので、鍵さへ卷いて置けば、一日一と晩は請合うけあひひ獨りで動いてゐるといふから、まるで活き物のやうな品ぢやありませんか
だまされると思つて、親分も一度行つて見なさるが宜い、請合うけあひ二三日はボーツとするから」
うつかり不動樣を縛るやうな顏でもしようものなら、請合うけあひ袋叩きにされる——
銭形平次捕物控:130 仏敵 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
八五郎は安請合うけあひに請合つて、巣鴨へその晩のうちに飛んで行きました。