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誠心
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せいしん
やれ理想、やれ人格、信仰だの
高尚だのと、
看板さわぎばかり
仰山で、そのじつをはげむの
誠心がない。
卑俗な腹でいて議論に高尚がる。
左樣、
私は
君を
確信します、
若し
君は
我等の
同志の
士として、
永久に
此の
秘密を
守る
事を
約束し
玉はゞ、
請ふ
誠心より
三度天に
誓はれよ。
そなたはただ
誠心誠意で
人と
神との
仲介をすればそれでよい。
今更我侭を
申したとて
何にもならんぞ……。
聞れ其方共顏を上よと有しに兩人は恐る/\少し
面を
上る時
駕籠の中より
熟々と見らるゝに(此時は
所謂誠心の
虚實眞僞面に
表るゝを見分る
緊要の場なりとぞ)
得つと名も吉之助と呼び
實子の如く
寵愛しけり或夜夫婦は
寢物語に吉之助は年に
似氣なき
利口者にて何一ツ
不足なき生れ付
器量といひ人品迄よくも
揃し者なり我々に子
無れば年頃
神佛に
祈りし
誠心を
以て母の
養育に當候と少しも
滯ほりなく申立る
體如何にも
誠心に見えければ
大岡殿大いに感じられ其方事女には
稀なる
志操なり
追々取調べ
遣はさんとて一
件相濟迄瀬川は
主人へ
預け申
付られ皆々下られけり夫より
大岡殿源八
佐七が
人相疵等を