裏庭うらにわ)” の例文
自分じぶん真心まごころがいつか、にいさんにわかるときがあろう。」と、おとうとは、一粒ひとつぶのしいの裏庭うらにわめて、どこへとなくりました。
白すみれとしいの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そういうと、おかあさんはいきなり土間どまへおり、裏庭うらにわへでていきました。林太郎はもう夢中むちゅうになり、はだしのままおっかさんの後をおいかけました。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
そこの裏庭うらにわへ行くと、はじめて行ったときと同様、あのじいさんがドアの外へきたないぼろをぶら下げているのを見た。
仲間なかま家鴨あひるからはかれ、ひよからははねでぶたれ、裏庭うらにわ鳥達とりたち食物たべものってむすめからはあしられるのです。
ニールスは、思いきって、ひろびろとした並木道なみきみちを走っていく勇気ゆうきはありませんでした。それで、べつの道をいくことにきめました。庭を通って、裏庭うらにわに出ました。
今朝けさ起きて見ると、裏庭うらにわ梧桐あおぎりの下に犬が一ぴき横になって居る。寝たのかと思うと、死んで居るのであった。以前もと時々内のピンに通って来たきつね見た様な小柄こがらの犬だ。デカがみ殺したと見える。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「あなたが、きっとりにおいでなさるとおもって、大事だいじそだてておきました。」と、そのいえひとはいって、裏庭うらにわ案内あんないしました。
ある男と無花果 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしがそのじりじりこげるあまい音楽にむちゅうで聞きほれていたとき、裏庭うらにわでこつこつ人の歩く足音がした。
と、やがて裏門うらもんに近づく人の足音あしおとがして、だれか門をくぐると、裏庭うらにわとおって法師の方へ近づいて来ました。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ちょうど、裏庭うらにわさくらにすずめがまっていていました。やまがらは、そのこえにでもさそわれたのか、ふいにまどから、いえそとしてしまいました。
山へ帰ったやまがら (新字新仮名) / 小川未明(著)