薄氣味うすきみ)” の例文
新字:薄気味
地震ぢしんめつたになし。しかし、のぐら/\とときは、家々いへ/\老若らうにやく男女なんによこゑてて、なほし、なほし、なほしととなふ。なんとも陰氣いんきにて薄氣味うすきみわるし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ひる洞穴ほらあないはなどにひそんでゐますが、よるになるとして、おほきな目玉めだまをぎょろ/\させてねずみなどをさらつてあるき、薄氣味うすきみわるこゑで「ほう、ほう」と、きます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
B まつた不安ふあんかんじるよ。薄氣味うすきみがわるくなるよ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
さへぎりそれでは御存ごぞんじのきならん父御てゝごさまとあにとのなかにおはな成立なりたつておまへさまさへ御承知ごしようちならば明日あすにも眞實しんじつ姉樣あねさまいやか/\おいやならばおいやでよしと薄氣味うすきみわろきやさしげのこゑうそまことあまりといへばあまりのこと
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もつと引續ひきつゞいた可恐おそろしさから、うはずつてはるのだけれど、ねずみえうちかいのでないと、吹消ふきけしたやうにはけさうもないとふので、薄氣味うすきみわるがるのである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしなんだか、薄氣味うすきみわるおもひがした。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)