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舷燈
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げんとう
ふりがな文庫
“
舷燈
(
げんとう
)” の例文
新字:
舷灯
窓ガラスに顔を押しつけて覗いて見ても、時たま沖の漁船の
舷燈
(
げんとう
)
が遠く遠くポッツリと浮んでいる外には、全く何の光りもなかった。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
决
(
けつ
)
して
愚
(
おろか
)
なる
船長
(
せんちやう
)
の
言
(
い
)
ふが
如
(
ごと
)
き、
怨靈
(
おんれう
)
とか
海
(
うみ
)
の
怪物
(
ばけもの
)
とかいふ
樣
(
やう
)
な
世
(
よ
)
に
在
(
あ
)
り
得可
(
うべ
)
からざる
者
(
もの
)
の
光
(
ひかり
)
ではなく、
緑
(
りよく
)
、
紅
(
こう
)
の
兩燈
(
りようとう
)
は
確
(
たしか
)
に
船
(
ふね
)
の
舷燈
(
げんとう
)
で
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
入り江の奥より望めば
舷燈
(
げんとう
)
高くかかりて星かとばかり、燈影低く映りて
金蛇
(
きんだ
)
のごとく。
寂漠
(
せきばく
)
たる山色月影のうちに浮かんで、あだかも絵のように見えるのである。
少年の悲哀
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「私は祖父から聞いたのだが、この卓も
舷燈
(
げんとう
)
も、——これは船の舷門に掛けるものだそうだが、どちらもオランダ船の船長から浄閑院さまに贈られ、のちに私の祖父が頂戴したという話だった」
燕(つばくろ)
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ふと
眼
(
まなこ
)
に
入
(
い
)
つたのは、
今
(
いま
)
、
此
(
この
)
船
(
ふね
)
の
責任
(
せきにん
)
を
双肩
(
さうけん
)
に
擔
(
にな
)
へる
船長
(
せんちやう
)
が、
卑劣
(
ひれつ
)
にも
此時
(
このとき
)
、
舷燈
(
げんとう
)
の
光
(
ひかり
)
朦朧
(
もうろう
)
たるほとりより、
天
(
てん
)
に
叫
(
さけ
)
び、
地
(
ち
)
に
泣
(
な
)
ける、
幾百
(
いくひやく
)
の
乘組人
(
のりくみにん
)
をば
此處
(
ここ
)
に
見捨
(
みす
)
てゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
この時もしやと思うこと胸を
衝
(
つ
)
きしに、つと
起
(
た
)
てば大粒の涙流れて煩をつたうを拭わんとはせず、柱に掛けし
舷燈
(
げんとう
)
に火を移していそがわしく家を出で、城下の方指して走りぬ。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
加
(
くは
)
ふるに
前檣々頭
(
ぜんしやうしやうとう
)
に
一點
(
いつてん
)
の
白燈
(
はくとう
)
と、
左舷
(
さげん
)
の
紅燈
(
こうとう
)
は
見
(
み
)
えで、
右舷
(
うげん
)
に
毒蛇
(
どくじや
)
の
巨眼
(
まなこ
)
の
如
(
ごと
)
き
緑色
(
りよくしよく
)
の
舷燈
(
げんとう
)
を
現
(
あらは
)
せる
他
(
ほか
)
は、
船橋
(
せんけう
)
にも、
甲板
(
かんぱん
)
にも、
舷窓
(
げんさう
)
からも、
一個
(
いつこ
)
の
火影
(
ほかげ
)
を
見
(
み
)
せぬかの
船
(
ふね
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
月はさやかに照りて海も
陸
(
くが
)
もおぼろにかすみ、ここかしこの
舷燈
(
げんとう
)
は星にも似たり。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
手には小さき
舷燈
(
げんとう
)
提
(
さ
)
げたり。舷燈の光
射
(
さ
)
す口をかなたこなたと
転
(
めぐ
)
らすごとに、薄く積みし雪の上を末広がりし火影走りて雪は美しく
閃
(
きら
)
めき、辻を囲める家々の暗き軒下を丸き
火影
(
ほかげ
)
飛びぬ。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
舷
常用漢字
中学
部首:⾈
11画
燈
部首:⽕
16画
“舷”で始まる語句
舷
舷側
舷梯
舷々
舷窓
舷門
舷端
舷墻
舷外
舷灯