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膝許
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ひざもと
ふりがな文庫
“
膝許
(
ひざもと
)” の例文
ふと産婦の握力がゆるんだのを感じて私は顔を
挙
(
あ
)
げて見た。産婆の
膝許
(
ひざもと
)
には血の気のない
嬰児
(
えいじ
)
が仰向けに横たえられていた。
小さき者へ
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
余計な御苦労かけるのが
御不便
(
ごふびん
)
さ。決して私は明さんに、
在所
(
ありか
)
を知らせず隠れていたのに、つい
膝許
(
ひざもと
)
の
稚
(
おさな
)
いものが、粗相で
手毬
(
てまり
)
を流したのが悪縁となりました。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかしどこでもそうだが仙台の人たちは
膝許
(
ひざもと
)
のこういう品を別に大事にはしない。段々需要が減って行くのも致し方ない。しかし見直す人が出れば惜しがるであろう。
現在の日本民窯
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
黙って眼を閉じていた歌麿は、そういってにじり寄ったおきたの手の
温
(
ぬく
)
みを
膝許
(
ひざもと
)
に感じた。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
一通
(
ひとゝほ
)
りの
挨拶
(
あいさつ
)
終
(
をは
)
つて
後
(
のち
)
、
夫人
(
ふじん
)
は
愛兒
(
あいじ
)
を
麾
(
さしまね
)
くと、
招
(
まね
)
かれて
臆
(
をく
)
する
色
(
いろ
)
もなく
私
(
わたくし
)
の
膝許
(
ひざもと
)
近
(
ちか
)
く
進
(
すゝ
)
み
寄
(
よ
)
つた
少年
(
せうねん
)
、
年齡
(
とし
)
は八
歳
(
さい
)
、
名
(
な
)
は
日出雄
(
ひでを
)
と
呼
(
よ
)
ぶ
由
(
よし
)
、
清楚
(
さつぱり
)
とした
水兵
(
すいへい
)
風
(
ふう
)
の
洋服
(
ようふく
)
姿
(
すがた
)
で、
髮
(
かみ
)
の
房々
(
ふさ/″\
)
とした
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
筆硯
(
ひっけん
)
を借りてその包紙の余白に、貧病の薬いただく雪あかり、と書きつけて興を添え、
酒盃
(
しゅはい
)
の献酬もさかんになり、小判は一まわりして主人の
膝許
(
ひざもと
)
にかえった頃に、年長者の山崎は
坐
(
すわ
)
り直し
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「さいなあ、
阿波
(
あは
)
の
鳴門
(
なると
)
をこえて
観音様
(
くわんのんさま
)
のお
膝許
(
ひざもと
)
へいきやつたといのう」
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
監督は矢部の出迎えに出かけて留守だったが、父の
膝許
(
ひざもと
)
には、もうたくさんの帳簿や書類が雑然と開きならべられてあった。
親子
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
おおん神の、お
膝許
(
ひざもと
)
で沙汰の限りな! 宗山坊主の背中を揉んでた島田髷の影らしい。惜しや、五十鈴川の星と澄んだその目許も、
鯰
(
なまず
)
の
鰭
(
ひれ
)
で濁ろう、と
可哀
(
あわれ
)
に思う。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「なんの、
死
(
し
)
ぬものぞいの。お
鶴
(
つる
)
は
観音様
(
くわんのんさま
)
のお
膝許
(
ひざもと
)
へいつたのやがな」
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
そして愛の極印のあるものは、仮令お前がそれを地獄の底に
擲
(
なげう
)
とうとも、忠実な犬のように
逸
(
いち
)
早くお前の
膝許
(
ひざもと
)
に帰って来るだろう。恐れる事はない。事実は遂に伝説に打勝たねばならぬのだ
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
と
祖母
(
としより
)
も
莞爾
(
にっこり
)
して、嫁の
記念
(
かたみ
)
を取返す、二度目の
外出
(
そとで
)
はいそいそするのに、手を
曳
(
ひ
)
かれて、キチンと
小口
(
こぐち
)
を揃えて置いた、あと三冊の兄弟を、父の
膝許
(
ひざもと
)
に残しながら、出しなに、台所を
竊
(
そっ
)
と
覗
(
のぞ
)
くと
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小さな方を
膝許
(
ひざもと
)
へ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
膝
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
許
常用漢字
小5
部首:⾔
11画
“膝”で始まる語句
膝
膝頭
膝行
膝下
膝行袴
膝元
膝栗毛
膝掛
膝小僧
膝節