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膏血
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こうけつ
ふりがな文庫
“
膏血
(
こうけつ
)” の例文
こんな矛盾した社会は
顛覆
(
てんぷく
)
させねばならぬ。暴動をおこして、人民の
膏血
(
こうけつ
)
をしぼっている奴らをハエのようにたたきつぶさねばならぬ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
農民の
膏血
(
こうけつ
)
をしぼって得られたものであり、それへの反感であった、とか、彼の右腕は世間を欺瞞しているから、というような。
我が人生観:05 (五)国宝焼亡結構論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
もとよりその財貨宝玉は、すべて悪政の
機関
(
からくり
)
から
搾
(
しぼ
)
りとった民の
膏血
(
こうけつ
)
にほかならぬ。……これを奪うのは天の
誅罰
(
ちゅうばつ
)
といえなくもあるまい。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
看よ看よいかにかの露国がその人民を
鞭撻
(
べんたつ
)
し、その
膏血
(
こうけつ
)
を絞るも、限りあるの財本はもって限りなきの経費に
充
(
あ
)
つるあたわず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
山阜
(
さんぷ
)
のごとし、百
頃
(
けい
)
に散ず、その蛻骨の時に遇えば生竜のごとし、あるいはいわく竜常にこの処に闘う、
膏血
(
こうけつ
)
流水のごとしと。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
そして、「
狡猾
(
こうかつ
)
にも、請負業者中のスキャップ、吸血鬼ともいうべき暴力団長と結託して、哀れなる沖仲仕の
膏血
(
こうけつ
)
をしぼる」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
そういう豪華版は、何の力によって招来したのかといえば、これすべて、一億に近いイネ州の人民の
膏血
(
こうけつ
)
によって、もたらされたものであった。
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
他人の
膏血
(
こうけつ
)
による富を積んで、
己
(
おの
)
れが安楽に暮さんとする、その安楽が、世の人の考える如く安楽なものでございましょうか、汗を流して終日働く人たちのみが
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ただしその花は血に咲いた花だ! 民の
膏血
(
こうけつ
)
に咲いた花だ! なんと卜伝、そうではあるまいかな
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
こういう傾向は、確かに近代になって著しく見えて来たようである。この際独り憐れむべきは、資本家の懐を肥やすがために、政府より
膏血
(
こうけつ
)
を絞り取らるる各国の人民である。
世界平和の趨勢
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
同君が外界の事象と四つに取組むと同時に、こうした自己の内部のものと必死に取組み合って、蒼白い、必死の
膏血
(
こうけつ
)
を
滴
(
た
)
らし続けていることがその絵によって窺われますから……。
挿絵と闘った話
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
無辜
(
むこ
)
の犠牲とはなんだ、社会に生きているものに、誰一人労働者の
膏血
(
こうけつ
)
を絞って、
旨
(
うま
)
い物を食ったり、温い布団の上に寝たりしていないものはない。どこへ投げたって好いと云うのだ。
食堂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
もっとも小学を
卒
(
お
)
え、中学に
入
(
い
)
って、ちょうど高等学校に入っていたその学資は、父が
膏血
(
こうけつ
)
を絞ったものであることはいうまでもないが、従姉妹達が銘々、自分の境遇を悲しむ余りに
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
陥穽
(
おとしあな
)
にかけた上、
膏血
(
こうけつ
)
を絞りとるもので、最も不埒な悪徳と云うべきだ
兵士と女優
(新字新仮名)
/
渡辺温
、
オン・ワタナベ
(著)
あの金は細民の
膏血
(
こうけつ
)
を絞った因縁のある金で、一銭と
雖
(
いえ
)
ども無駄には出来ないのです。せめて元金の何割でも何分でも、出来るだけ多く、気の毒な預金者達に返してやらなければならなかったのです。
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『まったく、諸国から出た皇帝が立ち皇帝に亡ぼされ、そのたびに何億という人民の
膏血
(
こうけつ
)
で築かれた皇城が一夜の
灰燼
(
かいじん
)
になってしまっている』
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゆえにかの租を食らい、税を飲み、他人の
膏血
(
こうけつ
)
を絞りて自家の口腹肉欲を飽かしむるごとき閑生活をなすものはあらず。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
百姓たちは、
四斤
(
よんきん
)
砲一発、いくらという値を知ってから、どかあん、という音を聞くと、自分たちの
膏血
(
こうけつ
)
がぶッぱなされるように、気がひけた。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
抗するにも、訴えるにも、何ら、法の庇護をもたないこの時代の無力の民は、どんな
苛斂誅求
(
かれんちゅうきゅう
)
にも服すしかない。
膏血
(
こうけつ
)
をしぼっても、出さねばならない。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いいえ、多くの女に贅沢をさせるために、百姓たちの
膏血
(
こうけつ
)
をしぼることは、隣国の
国司
(
こくし
)
にまで聞えています。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「笑わすな。
貢税
(
みつぎ
)
の
膏血
(
こうけつ
)
でぶよぶよ肥っている
廟堂
(
びょうどう
)
の豚めが。梁山泊で赤恥かいた上、ここへ来てまで尻の穴で物をいう気か。人民の敵とは、うぬらのことだ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここに、黄巾の残党で、
何儀
(
かぎ
)
と
黄邵
(
こうしょう
)
という二頭目は、
羊山
(
ようざん
)
を中心に、多年百姓の
膏血
(
こうけつ
)
をしぼっていたが
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「国財は、民の
膏血
(
こうけつ
)
から産れた国家の物である。私にこれを
焼棄
(
しょうき
)
するは、天を怖れぬものだ」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太守面
(
たいしゅづら
)
をしているのみか、国税もすべて横領し、むすめの嫁入り支度といっては、民の
膏血
(
こうけつ
)
をしぼり、この天下多難の
秋
(
とき
)
に、
眷族
(
けんぞく
)
そろって、能もなく、大糞ばかりたれている。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その労働力から
膏血
(
こうけつ
)
までを、
搾
(
しぼ
)
り上げてするのでなければ、行われない仕事であった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この
老猪
(
ろうちょ
)
め、なにをいうか。良民の
膏血
(
こうけつ
)
をなめ喰って脂ぶとりとなっている
惰眠
(
だみん
)
の賊を、
栄耀
(
えいよう
)
の巣窟から追い出しにきた我が軍勢である。——眼をさまして、
疾
(
と
)
く古城を献じてしまえ」
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なんと、この北国の貧村と、痩せたる民の
膏血
(
こうけつ
)
で作った
第宅
(
ていたく
)
の見すぼらしさよ。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“膏血”の意味
《名詞》
膏と血。
苦労して得た利益や財産。
(出典:Wiktionary)
膏
漢検準1級
部首:⾁
14画
血
常用漢字
小3
部首:⾎
6画
“膏”で始まる語句
膏
膏薬
膏汗
膏藥
膏肓
膏切
膏薬売
膏脂
膏腴
膏気