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ばりざんぼう
ふりがな文庫
“
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)” の例文
彼は
掌
(
てのひら
)
でばたばたと鳥居の柱を敲きながら
矢鱈
(
やたら
)
に身体をも打ち付けた。打ち付け打ち付け
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を極めて見たが鳥居は動かなかった。
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
その他、あらゆる
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
がうしろから飛んで来たが、武蔵は見向きもせず、また、北条新蔵にも、足を止めることを許さず
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれ一石、これ一石と下ろしながら、人間界の碁打ちをコキ下ろしている
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を聞いていると、なかなか面白い。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
至れり尽せり。我輩は
姑
(
しばら
)
く記者の言うがまゝに任せて、唯その夫たる者の人物如何を問わんと欲するのみ。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
自分の守るべきところを守って居る点においては、世人が実に
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を極めるに
拘
(
かか
)
わらず、私は
窃
(
ひそか
)
に実に可哀そうなものだと思って同情を表して居りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
おれはそう思うたら、今でも不思議な気がするくらい、ありとあらゆる
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
が、口を
衝
(
つ
)
いて
溢
(
あふ
)
れて来た。もっともおれの使ったのは、
京童
(
きょうわらべ
)
の云う
悪口
(
あっこう
)
ではない。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼のこの
苦悶
(
くもん
)
を囃す様に、又しても三曲万歳の合唱が始った。聞くに耐えぬ
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
が繰返された。
踊る一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
訳が分らないで怒鳴りつけられたり
擲
(
ぶ
)
たれたりして、恐ろしそうに
竦
(
すく
)
んでいる子供達の肩を撫でてやりながら、禰宜様宮田は、黙然としてその
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を浴びていた。
禰宜様宮田
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ド・リシュモンとの対決では、カストリは二時間にわたる彼の
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を泰然と聞き流していたが、最後にたった一言いった。「シモンの伜、ガブリエルだな、お前は」
カストリ侯実録
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
もはやいかなる悪評を
怖
(
おそ
)
れようぞ。通胤の前には光に満ちた道がひらけた。たとえ世人から
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
をあびようとも、千坂
父子
(
おやこ
)
のまごころは弓矢神こそみそなわすであろう。
城を守る者
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
これに
反
(
はん
)
して一個の定見あり自己の所信を国是として実行する者を「ステーツメン」という。しかるにいかなる政治家にてもその生ける
間
(
あいだ
)
は敵より政治屋と
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
せられる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
誰でもが持っている
岡焼
(
おかや
)
き根性とは、いっても、クルウの先輩連が、ぼくに
浴
(
あ
)
びせる
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
には、
嫉妬
(
しっと
)
以上の悪意があって、当時、ぼくはこれを、気が変になるまで、
憎
(
にく
)
んだのです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
嫉
(
ねた
)
みあい、縄張り争い、愚劣な
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
、低級な弥次、わざとの喧嘩、議事規則の無視、あげくの三八にゃ、ゴロツキでもやらんげな、気違いじみた取っ組みあい、乱闘騒ぎ——さぞかし
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
日頃は
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
してやまなかった抱一庵をも一見コロリと感服させ、犬と猿のように
仲違
(
なかたが
)
いしているものにでも会えば奥底なく打解けて、自分の身上などを
細々
(
こまごま
)
打明けて話すほど
捌
(
さば
)
けていた。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
屑屋はまた貴婦人を捕えて
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
、「あ、あ
良
(
い
)
い
匂
(
におい
)
だ
咽返
(
むせかえ
)
るようだ。」と鼻を突出してうそうそと
嗅
(
か
)
ぎ、「へん、
咽
(
むせ
)
も返るが呆れも返らあ、
阿蘭陀
(
オランダ
)
の金魚じゃねえが、香水の中で泳いでやあがる。 ...
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
する群と……とても耐え切れませんわ
諜報中継局
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そうして聞くに堪えない
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を加えては
哄
(
どっ
)
と
鬨
(
とき
)
の声を揚げる有様は、まるで
一揆
(
いっき
)
のような有様でありました。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
本文は女大学の末章にして、婦人を責むること甚だしく、殆んど
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
の毒筆と言うも不可なきが如し。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
雷
(
らい
)
のごとく
騒
(
さわ
)
ぎ
立
(
た
)
つ数千の反対者を
眼前
(
がんぜん
)
に
列
(
なら
)
べて、平然と
構
(
かま
)
えて、いかに
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を
浴
(
あび
)
せても、どこの
空
(
そら
)
を風が吹く
底
(
てい
)
の顔付きで落着き払って議事を進行せしめたその態度と
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
などと、酔いにまかせて、そんな極端な
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
をするのだった。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
あるいは議論が次第に高じて来て、
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
に終ったかも知れない。あらゆる
犯罪
(
はんざい
)
の多い米国のことであるから、数百の人の集まったときには随分
不体裁
(
ふていさい
)
はあり得ることである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それは、チョボクレとして文句が練れない、言葉が野卑に過ぐる、そのくせ、学者ぶったところが鼻につくものがある、天下の諸侯に八ツ当り、
罵詈讒謗
(
ばりざんぼう
)
を極めたそれを不快に思うのではありません。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
罵
常用漢字
中学
部首:⽹
15画
詈
漢検1級
部首:⾔
12画
讒
漢検1級
部首:⾔
24画
謗
漢検1級
部首:⾔
17画
“罵詈”で始まる語句
罵詈
罵詈雑言
罵詈悪口
罵詈狂
罵詈呵責
罵詈怒号
罵詈暴行
罵詈罵倒
罵詈毀辱我