はて)” の例文
べて神聖しんせいものはてよろこびる。われらがしゆきみはこのあかいばらうへに、このわがくちに、わがまづしい言葉ことばにも宿やどつていらせられる。
源叔父が紀州をその家に引取りたりということ知れわたり、伝えききし人初めはまこととせず次に呆れはては笑わぬものなかりき。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
何の御用と問はれて稍〻、躊躇ためらひしが、『今宵こよひの御宴のはてに春鶯囀を舞はれし女子をなごは、何れ中宮の御内みうちならんと見受けしが、名は何と言はるゝや』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
奥州のはてから九州にまで流布したこの炭焼長者の伝説が、農夫でも、商人でもなくて、特に炭焼だという点に自分は特別の興味を感ずるものである。
この時伊耶那岐の命いたく歡ばして詔りたまひしく、「吾は子を生み生みて、生みのはてに、三柱の貴子うづみこを得たり」と詔りたまひて、すなはちその御頸珠みくびたまの玉の緒ももゆらに取りゆらかして一八
今こそは、夏のはてよる
カンタタ (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
あなや、またぎやくはてふるひして
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
冬はいまはてのいぶきか
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
わが夢のはてをも問はず
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
城山のふもとにてく鐘雲に響きて、屋根瓦のこけ白きこの町のはてよりはてへともの哀しげなる音の漂う様はうお住まぬ湖水みずうみ真中ただなかに石一個投げ入れたるごとし。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そして東北は奥州津軽のはてから、西南は九州豊後のこの真野の長者にまで、その噺が広がっているので、そのお噺としての筋合は極めてたわいもないものであるが
わが世のはての日数の経ちゆく如く、この痩せ細つたる手指をそうて、わが指金ゆびがねすべり落ちる。
法王の祈祷 (新字旧仮名) / マルセル・シュウォッブ(著)
細太刀の輕さに風雅の銘を打ちたる六波羅武士の腸をば一指の舞にとろかしたる彼の少女の、滿座の秋波しうはに送られて退まかり出でしを此夜の宴のはてとして、人々思ひ思ひに退出し、中宮もやがて還御くわんぎよあり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
凄まじ、この生みはての神
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
凄まじ、この生みはての神
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)