空高そらたか)” の例文
はやつけたつばめは、それをまだらないともだちにげるために、空高そらたかがって、紺色こんいろうつくしいつばさをひるがえしながら
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
あのくるまつて、百人ひやくにんばかりの天人てんにんりまかれて、空高そらたかのぼつてきました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
もう、其處等そこら如才じよさいはござりません、とお手代てだい。こゝで荷鞍にぐらへ、銀袋ぎんたい人參にんじん大包おほづつみ振分ふりわけに、少年せうねんがゆたりとり、手代てだいは、裾短すそみじか羽織はおりひもをしやんとかまへて、空高そらたか長安ちやうあん大都だいとく。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分じぶんからだは、どうなってもいいというように、ちょうは、絶望ぜつぼうのあまり、ふかかんがえはなしに、空高そらたかく、たかく、どこまでもたかがりました。
ちょうと怒濤 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、たちは、空高そらたかくつばめのれが、はやしから旅立たびだって、きたしてんでゆく姿すがたをながめたのでした。
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ひめさまは、なみだかがやいたひとみげて、小鳥ことりをじっとごらんなさいますと、小鳥ことりは、やっと安心あんしんをしたように、空高そらたかがって、どこへともなく、くもとおったのであります。
お姫さまと乞食の女 (新字新仮名) / 小川未明(著)