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煮〆
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にしめ
ふりがな文庫
“
煮〆
(
にしめ
)” の例文
切
(
き
)
り
烏賊
(
いか
)
、
椎茸
(
しいたけ
)
、
牛蒡
(
ごぼう
)
、凍り豆腐ぐらいを
煮〆
(
にしめ
)
にしてお
平
(
ひら
)
に盛るぐらいのもの。別に
山独活
(
やまうど
)
のぬた。それに山家らしい
干瓢
(
かんぴょう
)
の
味噌汁
(
みそしる
)
。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
縄暖簾
(
なわのれん
)
の隙間からあたたかそうな
煮〆
(
にしめ
)
の
香
(
におい
)
が
煙
(
けむり
)
と共に往来へ流れ出して、それが夕暮の
靄
(
もや
)
に
融
(
と
)
け込んで行く
趣
(
おもむき
)
なども忘れる事ができない。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
川越屋に取って返して、店の瓶の中を見ると、佐野屋が言った通り、
煮〆
(
にしめ
)
たような手拭が一筋、少しばかり血のにじんだのが出て来ました。
銭形平次捕物控:084 お染の歎き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
折から長火鉢のわきへ出してあったお重箱の
煮〆
(
にしめ
)
をひろげて、猫板に乗せてあった一本まで、
燗銅壺
(
かんどうこ
)
に這入っております。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茶呑茶碗
(
ちやのみぢやわん
)
が
一
(
ひと
)
つ/\に
置
(
お
)
かれて、
何處
(
どこ
)
からか
供
(
そな
)
へられた
芋
(
いも
)
や
牛蒡
(
ごばう
)
や
人參
(
にんじん
)
や
其
(
そ
)
の
他
(
た
)
の
野菜
(
やさい
)
の
煮〆
(
にしめ
)
が
重箱
(
ぢゆうばこ
)
の
儘
(
まゝ
)
置
(
お
)
かれた。
其處
(
そこ
)
には
膳
(
ぜん
)
も
臺
(
だい
)
も
何
(
なに
)
もなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
この世界なみに、たいてい
眼刺
(
めざし
)
か
煮〆
(
にしめ
)
。顎十郎は、うむとも言わずにめしを喰い出す。飯を喰いおわると、お
先煙草
(
さきたばこ
)
を一服二服。窓から空を見上げながら
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
お婆さんはツンとして腰に繩帯を巻いた姿で、牛小屋にはいって行った。真黒いコンニャクの
煮〆
(
にしめ
)
と、油揚げ、里芋、雑魚の煮つけ、これだけが祭の御馳走である。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「そうか、それでは」と桂は女中に向かって二三品命じたが、その名は
符牒
(
ふちょう
)
のようで僕には解らなかった。しばらくすると、
刺身
(
さしみ
)
、
煮肴
(
にざかな
)
、
煮〆
(
にしめ
)
、汁などが出て飯を
盛
(
も
)
った茶碗に
香物
(
こうのもの
)
。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
いつも佃煮を売りにゆく
顧客
(
とくい
)
さきで、握り飯を五つ盗んだからだ、鉄砲洲の質屋が近火に遭って、手伝いに来た出入りの者たちに
炊出
(
たきだ
)
しをした、
酒肴
(
さけさかな
)
、握り飯や
煮〆
(
にしめ
)
がずらっと並んでた
暴風雨の中
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
○焼豆腐、人参、牛蒡その他のお
煮〆
(
にしめ
)
を煮るには魚類のスープを用ゆべし。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
三十前後、醤油で
煮〆
(
にしめ
)
たような大年増ですが、どこか気の強そうなところがあって、丑松を取って押える貫禄は充分です。
銭形平次捕物控:058 身投げする女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
肺病は馬の
糞
(
ふん
)
を
煮〆
(
にしめ
)
た汁がいいと誰かに聞いた事がある。このひとの気性の荒さは、肺病のせいなのだと思うとぞっとして来る。多摩川で一度血を吐いた事がある。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
しかし何だか口が
淋
(
さび
)
しいと見えて、しきりに
縄暖簾
(
なわのれん
)
や、お
煮〆
(
にしめ
)
や、
御中食所
(
おちゅうじきどころ
)
が気にかかる。相手の長蔵さんがまた申し合せたように右左と
覗
(
のぞ
)
き込むので、こっちはますます
食意地
(
くいいじ
)
が張ってくる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「煮賣屋のお勘子だらう、ちやんと探索が屆いて居るよ。
手前
(
てめえ
)
が買ひに行くと、お
煮〆
(
にしめ
)
が倍もあるんだつてね」
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
爺さんは
頬張
(
ほおば
)
った
煮〆
(
にしめ
)
を
呑
(
の
)
み込んで
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「煮売屋のお
勘子
(
かんこ
)
だろう、ちゃんと探索が届いているよ。
手前
(
てめえ
)
が買いに行くと、お
煮〆
(
にしめ
)
が倍もあるんだってね」
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
煮〆
(
にしめ
)
を腹一杯食つてよ、町内のお湯を買ひ切つて三日ばかりつかつて見ねえ、こいつは大名にもない
贅
(
ぜい
)
だぜ」
銭形平次捕物控:077 八五郎の恋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
煮
常用漢字
中学
部首:⽕
12画
〆
2画
“煮”で始まる語句
煮
煮染
煮焚
煮炊
煮込
煮肴
煮立
煮方
煮汁
煮団子