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榻
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ねだい
ふりがな文庫
“
榻
(
ねだい
)” の例文
「僕の家は貧乏ですが、
榻
(
ねだい
)
を置く位の所はあります、きたなくておかまいがなけりゃ、
他
(
ほか
)
へ往かなくってもいいじゃありませんか」
黄英
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ある晩、竇は友人と
榻
(
ねだい
)
を一つにして寝ていた。と、忽ち前の褐衣の内官が来て、王の命を伝えて竇を召した。竇は喜んでついていった。
蓮花公主
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
陸が
榻
(
ねだい
)
の前へ坐って、自分の胸を斬り裂いて腸胃を引き出し、それを一筋一筋整理しているところであった。朱は愕いて言った。
陸判
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこで夫人は元豊から取りあげてあった
榻
(
ねだい
)
を
故
(
もと
)
の処へ
還
(
かえ
)
して、更めて寝床をしつらえて注意していた。元豊は自分の室へ入ると婢を出した。
小翠
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
女は起って
榻
(
ねだい
)
の上にあがった。南はぼんやりそれを見ていた。女は榻にあがって横になるなり、
被
(
かいまき
)
を取って顔の上から被った。
竇氏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
王太常
(
おうたいじょう
)
は越人であった。少年の時、昼、
榻
(
ねだい
)
の上で寝ていると、空が不意に曇って暗くなり、人きな雷がにわかに鳴りだした。
小翠
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
榻
(
ねだい
)
の
枕元
(
まくらもと
)
の台の上に乱れ箱に入れて洋服やシャツが入れてあるのが見えた。彼はすらりと羽蒲団を横に
脱
(
ぬ
)
けだして下におりた。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこには虎の皮と狼の皮があって、それを柱に
懸
(
か
)
けたり敷いたりしてあったが、他に坐るような腰掛も
榻
(
ねだい
)
もなかった。
田七郎
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
老婆はそう言って夫人の前をつくろって、秀英のいる
楼上
(
にかい
)
へ往った。楼上には秀英が
榻
(
ねだい
)
の上に横になっていた。老婆はずかずかとその傍へ往った。
断橋奇聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこで二人は
榻
(
ねだい
)
を並べて寝た。羅は渓の水で洗ってから瘡の痛みがなくなっていたが、ひと眠りして創へ手をやってみると、もう乾いて
痂
(
かさぶた
)
ができていた。
翩翩
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
桑は心の中で蓮香に感謝したが、しかし
鬼病
(
きびょう
)
とは思わなかった。蓮香はその夜から桑の
榻
(
ねだい
)
につきっきりになっていた。
蓮香
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
墓を掘り棺を破って十一娘の
屍
(
しかばね
)
を出し、穴をもとのように埋めて、自分でそれを
負
(
せお
)
って三娘と一緒に帰り、それを
榻
(
ねだい
)
の上に置いて三娘の持っていた薬を飲ました。
封三娘
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
魏法師は喬生に二枚の
朱符
(
しゅふ
)
をくれて、一つを
門
(
かど
)
に貼り一つを
榻
(
ねだい
)
に貼るように云いつけ、そのうえで二度と湖心寺へ往ってはいけないと云って
戒
(
いまし
)
めた。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
小翠は王の家へ来てからもう三年になっていたが、元豊とは夜よる
榻
(
ねだい
)
を別にしていた。夫人はその時から元豊の榻をとりあげて、小翠の榻に
同寝
(
ともね
)
させるようにした。
小翠
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
と言って、蒲団を
捲
(
まく
)
って見ると儒者の冠をつけた秀才になっていた。彼は起きて
榻
(
ねだい
)
の前へ往ってお辞儀をして、自分を殺さなかった恩を謝した。車は
酒友
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
日がもう暮れようとした。夫婦は子供の尸を取りあげ、粗末な葬式をすることにして、近くへいって
撫
(
な
)
でてみるとかすかな息が聞えた。二人は喜んで
榻
(
ねだい
)
の上へあげた。
促織
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
そこには
榻
(
ねだい
)
があって、髪の黒い、黄いろな顔をした男が、
呼吸苦
(
いきぐる
)
しそうにして
左枕
(
ひだりまくら
)
に寝ていた。主翁はこれが御病気だと云う伯爵の殿様だなと思った。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ある日昼寝をしていると、一人の
褐色
(
かっしょく
)
の衣を着た男が
榻
(
ねだい
)
の前に来たが、おずおずしてこっちを見たり後を見たりして、何かいいたいことでもあるようであった。
竇
(
とう
)
は訊いた。
蓮花公主
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
主翁
(
ていしゅ
)
は
榻
(
ねだい
)
の方を見た。夫人の両手が蛇のように男の
頸
(
くび
)
にからみついていた。同時に
微
(
かすか
)
な女の笑い声が聞えた。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこで一緒に十一娘の室へ帰って同じ
榻
(
ねだい
)
に起臥して心ゆくばかり話しあった。十一娘の病気はやがて
癒
(
なお
)
ってしまった。二人は約束して姉妹となって、書物も履物も互いに取りかえて着けた。
封三娘
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
いっしょに室の中へ入って
嬰児
(
あかんぼ
)
のいる
榻
(
ねだい
)
の傍へ往き、拇指で嬰児の鼻をなでて、
増寿
(
ぞうじゅ
)
という名をつけた。
竹青
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
主翁はしかたなく
榻
(
ねだい
)
の方へ歩いて往った。歩きながら
何人
(
たれ
)
かに眼を覚まされて見られては大変なことになると思った。彼の足は何を踏んでいるのか判らなかった。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして家へ帰った孫は、すぐ
榻
(
ねだい
)
の上にあがって寝たが、終日起きなかった。家の者が気をつけてみると酔ったように解らなくなっていた。呼び起しても醒めなかった。
阿宝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「一つを門へ貼り、一つを
榻
(
ねだい
)
へ貼るがいい、そして、これから、二度と湖心寺へ行ってはならんよ」
牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「一つを門へ
貼
(
は
)
り、一つを
榻
(
ねだい
)
へ張るが好い、そしてこれから、二度と湖心寺へ往ってはならんよ」
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして、夜になって
榻
(
ねだい
)
の上に横になっても、女の白い顔がすぐ前にあるようで睡られなかった。
断橋奇聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
酒の後で二人は
榻
(
ねだい
)
を並べて寝た。焦生はすぐ眠られないので昼の虎のことを考えていた。と、寝室の
扉
(
と
)
を荒あらしく開けて、赤い冠をつけ白い着物を着た老人が入ってきた。
虎媛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこで孔生は泊ることにして少年と
榻
(
ねだい
)
をともにして寝たが、朝になってまだうす暗いうちに
僮子
(
こぞう
)
が来て炭火を室の中で
熾
(
た
)
きだしたので、少年はさきに起きて
内寝
(
いま
)
へ入ったが
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
王は不思議に思って見ていると、女の子は静かに
榻
(
ねだい
)
の上へあがって、自分に寄添うた。
蘇生
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
曾はくたびれたので
榻
(
ねだい
)
の間に寝た。二人の使者が天子の手ずから書いた
詔
(
みことのり
)
を持ってきたが、それには曾太師を召して国計を決すとしてあった。曾は得意になって大急ぎで入朝した。
続黄梁
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
喬生が人間の
骸骨
(
がいこつ
)
と抱き合って
榻
(
ねだい
)
に腰をかけていたが、そのとき嬉しそうな声で何か云った。老人は怖れて
眼前
(
めさき
)
が暗むような気がした。彼は壁を離れるなり寝床の中へ
潜
(
もぐ
)
りこんだ。
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
もし人が神の怒りにふれるようなことがあると、その家はきっと不思議なことがあって蛙がたくさんきて
几
(
つくえ
)
や
榻
(
ねだい
)
であそんだり、ひどいのになると
滑
(
なめら
)
かな壁を這いあがったが
堕
(
お
)
ちなかった。
青蛙神
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
青年が起つと仙妃も起って、そのまま青年を
伴
(
つ
)
れて往った。侍女達は手に手に綺麗な燈を持って案内した。そこは珍しい織物を張り詰めた狭い室で、
翠
(
みどり
)
の
帳
(
とばり
)
の中には紅い花のような
榻
(
ねだい
)
があった。
賈后と小吏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その人が周の
榻
(
ねだい
)
の前へ来るなり、いきなり周の首を斬って、手に持っていた首と
易
(
か
)
えて行ったので、周はびっくりしてお父さんの足にだきつき、大声をあげたから眼が覚めたのです、眼を覚して
涼亭:――序に代へて――
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そこに二重門があって、それを入ると錦繍の
帷
(
とばり
)
をした
室
(
へや
)
があって、その真中に石の
榻
(
ねだい
)
を据え、その上に大きな老猿が仰向けに寝てうんうんと唸っていた。榻の傍には三人の綺麗な女が腰をかけていた。
申陽洞記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
愛卿の霊は泣きながら
榻
(
ねだい
)
をおりた。趙も後から送って出た。
愛卿伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
主婦と道度は青い
帷
(
とばり
)
の陰になった
榻
(
ねだい
)
の上へ並んでいた。
黄金の枕
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
榻
漢検1級
部首:⽊
14画
“榻”を含む語句
臥榻
脚榻
迎我譲榻去
榻背
榻子
石榻
陶榻
禅榻
牀榻
座榻
一榻
長榻
今日鬢絲禅榻畔
褥榻
茶煙禅榻
茶榻
円榻
脚榻釣
榻列
竹榻
...