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柹
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かき
ふりがな文庫
“
柹
(
かき
)” の例文
庭
(
には
)
の
木陰
(
こかげ
)
に
身
(
み
)
を
避
(
さ
)
けてしんみりと
互
(
たがひ
)
の
胸
(
むね
)
を
反覆
(
くりかへ
)
す
時
(
とき
)
繁茂
(
はんも
)
した
柹
(
かき
)
や
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
は
彼等
(
かれら
)
が
唯
(
ゆゐ
)
一の
味方
(
みかた
)
で
月夜
(
つきよ
)
でさへ
深
(
ふか
)
い
陰翳
(
かげ
)
が
安全
(
あんぜん
)
に
彼等
(
かれら
)
を
包
(
つゝ
)
む。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
例えば
柹
(
かき
)
を見た事のない西洋人に柹を説明するよりも
赤茄子
(
あかなす
)
のようだと話す方が早解りがするようなものであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と、主人は茶を入れてくれたりして、
盆
(
ぼん
)
に盛った
柹
(
かき
)
の実に、灰の
這入
(
はい
)
っていない
空
(
から
)
の火入れを
添
(
そ
)
えて出した。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
痩せて黄色になつた顔には、もとの面影がもはや無いと
謂
(
い
)
つても、白きを交へて
疎
(
まば
)
らに延びた
鬚髯
(
しゆぜん
)
のあたりを見てゐると、
柹
(
かき
)
の
村人
(
むらびと
)
時代の顔容をおもひ起させるものがあつた。
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
やんがて
柹
(
かき
)
のうれるころ
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
▼ もっと見る
裏戸口
(
うらとぐち
)
の
柹
(
かき
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
据
(
す
)
ゑられた
風呂
(
ふろ
)
には
牛
(
うし
)
が
舌
(
した
)
を
出
(
だ
)
して
鼻
(
はな
)
を
舐
(
な
)
めづつて
居
(
ゐ
)
る
樣
(
やう
)
な
焔
(
ほのほ
)
が
煙
(
けぶり
)
と
共
(
とも
)
にべろ/\と
立
(
た
)
つて
燻
(
いぶ
)
りつゝ
燃
(
も
)
えて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
日は川の方へ
廻
(
まわ
)
っていて、町の左側の障子に
映
(
は
)
えているのだが、その照り返しが右側の方の家々の中まで届いている。
八百屋
(
やおや
)
の店先に並べてある
柹
(
かき
)
が殊に
綺麗
(
きれい
)
であった。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
例えば(前の例で説明して見ますと)
柹
(
かき
)
は
赤茄子
(
あかなす
)
のごとしと云うと無論 simile を内職の内職くらいにしておりますが、本職は
固
(
もと
)
より柹の性質を明かにするためです。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
のこる三
羽
(
ば
)
は
柹
(
かき
)
の
葉
(
は
)
の
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「
櫛
(
くし
)
なんざ
持
(
も
)
つてゐねえぞはあ、それよりやあ、
歸
(
けえ
)
つて
柹
(
かき
)
の
木
(
き
)
のざく
股
(
また
)
でも
見
(
み
)
た
方
(
はう
)
がえゝと」
朋輩
(
ほうばい
)
の
一人
(
ひとり
)
がおつぎへいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
猿はひとりで
柹
(
かき
)
の実を
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
柹
部首:⽊
9画
“柹”を含む語句
御所柹
柹帰
柹木
柹蔭
柹蔭山房
樽柹
渋柹
熟柹
美濃柹