晏子あんし)” の例文
わたくしを以て虎威を借る狐にあらずば晏子あんしの車を駆る御者ぎょしゃとなすかも知れない。わたくしはむしろ欣然として此の嘲を受けるであろう。
木犀の花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
斉の景公、或時太夫晏子あんしに向って言われるには、「卿の住宅は大分町中であるによって、物価の高低などにも定めて通じていることであろう」
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
晏子あんし莊公さうこうし、これこくしてれいしかのちるにあたつて、所謂いはゆる(七二)さざるはゆうもの
雑著には『晏子あんし春秋筆録』、『劇神仙話』、『高尾考たかおこう』がある。『劇神仙話』は長島五郎作のことを録したものである。『高尾考』はおしむらくは完書をなしていない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
対の扮装いでたちそでを連ねて侍女こしもとにん陪乗し、馭者ぎょしゃ台には煙突帽をいただきたる蓄髯ちくぜんおのこあり、晏子あんしの馭者の揚々たるにて主公の威権おもうべし。浅葱あさぎ裏を端折りたる馬丁べっとうにん附随つきしたがい、往来狭しとむちを挙げぬ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其後そののちをつとみづか(六二)抑損よくそんす、晏子あんしあやしんでこれふ。ぎよじつもつこたふ。晏子あんしすすめてもつ大夫たいふせり。
ここもつ(四四)せい諸矦しよこうあらはせり。越石父ゑつせきほけんにして(四五)縲紲るゐせつうちり。晏子あんしでてこれみちふ、(四六)左驂ささんいてこれあがなひ、かへる。