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ておち
ふりがな文庫
“
手落
(
ておち
)” の例文
誰一人
(
だれひとり
)
知
(
し
)
る
者
(
もの
)
もなかろうと
思
(
おも
)
ったのが、
手落
(
ておち
)
といえばいえようが、それにしても、
新
(
しん
)
七が
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
って
来
(
き
)
ようなぞとは、まったく
夢
(
ゆめ
)
にも
想
(
おも
)
わなかった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
流石
(
さすが
)
に悪魔式の明敏なアタマを持っておりましたAも、ここで一つの小さな……実は極めて重大な
手落
(
ておち
)
をしている事に、気が付かないでいるのでした。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「お嬢さま。しんぱいいりません。よいドクトルをしっていますから、その人にみせましょう。わたくしが、
手落
(
ておち
)
なくしますから、しんぱいいりません」
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
無論その様な
手落
(
ておち
)
のあろう筈もなく、それに、写真屋の台帳には辻堂という名前は一人もないことも分った。
幽霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
画工
(
ゑかき
)
はね、
心
(
こゝろ
)
を
描
(
か
)
くんぢやない。
心
(
こゝろ
)
が
外
(
そと
)
へ
見世
(
みせ
)
を
出
(
だ
)
してゐる
所
(
ところ
)
を
描
(
か
)
くんだから、
見世
(
みせ
)
さへ
手落
(
ておち
)
なく観察すれば、
身代
(
しんだい
)
は
自
(
おのづ
)
から
分
(
わか
)
るものと、まあ、さうして置くんだね。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
一つは兄の
臨終
(
りんじう
)
に間に合はなかつたことが、通知に
手落
(
ておち
)
でもあつたやうに、彼が考へてゐるのだと思はれてゐるらしかつた。勿論彼は兄の生前に行きあはさなかつた事を残念に思つた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
ただその
際
(
さい
)
何
(
なに
)
より
好都合
(
こうつごう
)
であったのは、
姫
(
ひめ
)
の
父君
(
ちちぎみ
)
が
珍
(
めず
)
らしく
国元
(
くにもと
)
へ
帰
(
かえ
)
って
居
(
お
)
られたことで、
御自身
(
ごじしん
)
采配
(
さいはい
)
を
振
(
ふ
)
って
家人
(
がじん
)
を
指図
(
さしず
)
し、
心限
(
こころかぎ
)
りの
歓待
(
もてなし
)
をされた
為
(
た
)
めに、
少
(
すこ
)
しの
手落
(
ておち
)
もなかったそうでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
しかしいろいろな手不足のため、心配していながらも、博士の保護を実践しなかったことは確かに
手落
(
ておち
)
である。
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「それがようござる。
及
(
およ
)
ばずながら
愚老
(
ぐろう
)
が
看護
(
かんご
)
して
居
(
い
)
る
以上
(
いじょう
)
、
手落
(
ておち
)
はいたさぬ
考
(
かんが
)
えじゃ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
連
(
つ
)
れ
添
(
そ
)
う
身
(
み
)
の
異存
(
いぞん
)
のあろうはずもなく、
本読
(
ほんよ
)
みも
済
(
す
)
んで、
愈
(
いよいよ
)
稽古
(
けいこ
)
にかかった四五
日
(
にち
)
は、
寝
(
ね
)
る
間
(
ま
)
をつめても、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
に
控
(
ひか
)
えて、
茶
(
ちゃ
)
よ
菓子
(
かし
)
よと、
女房
(
にょうぼう
)
の
勤
(
つと
)
めに、さらさら
手落
(
ておち
)
はなく
過
(
す
)
ぎたのであったが
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
“手落”で始まる語句
手落呼