手内職てないしよく)” の例文
親子おやこもしくは夫婦ふうふ僅少わづか手内職てないしよくむせぶもつらき細々ほそ/\けむりを立てゝ世が世であらばのたんはつそろ旧時きうじの作者が一場いつぢやうのヤマとする所にそろひしも今時こんじは小説演劇を
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
起因おこり大工だいくであつたおいとの父親がまだ生きてころから母親おふくろ手内職てないしよくにと針仕事をしてゐたが
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
おくるや可惜あたら若木わかきはなにおくれてぬべきやまひいえたるものゝわづ手内職てないしよく五錢ごせん六錢ろくせん露命ろめいをつなぐすべはあらじをあやしのことよとたづねるに澆季げうきとはくものゝなほ陰徳者いんとくしやなきならで此薄命このはくめい
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
月給げつきうの八ゑんはまだ昇給しようきう沙汰さたし、此上このうへ小兒ちいさいうまれて物入ものいりがかさんで、人手ひとでるやうにつたら、おまへがたがなんとする、美尾みを虚弱きよじやく身體からだなり、良人おつとたすけて手内職てないしよくといふも六ツかしかるべく
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)