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悶
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もだえ
ふりがな文庫
“
悶
(
もだえ
)” の例文
したがって余の意識の内容はただ
一色
(
ひといろ
)
の
悶
(
もだえ
)
に
塗抹
(
とまつ
)
されて、
臍上方
(
さいじょうほう
)
三寸
(
さんずん
)
の
辺
(
あたり
)
を日夜にうねうね行きつ戻りつするのみであった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
田中の顔は
俄
(
にわ
)
かに変った。
羞恥
(
しゅうち
)
の念と
激昂
(
げっこう
)
の情と絶望の
悶
(
もだえ
)
とがその胸を
衝
(
つ
)
いた。かれは言うところを知らなかった。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
身のめぐりは
遽
(
にはか
)
に寂しくなりぬ。書を讀みても物足らぬ心地して、胸の中には遺るに由なき
悶
(
もだえ
)
を覺えき。さて
如何
(
いかに
)
してこれを散ずべき。唯だ音樂あるのみ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
むかし女郎の無心手紙には候かしくの末に都々一なぞ書き添るもの多かりしが、今日大正の手紙には童謡とやら短歌とやら書きつけて性の
悶
(
もだえ
)
を告ぐとか聞けり。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
隙
(
すか
)
さず
咽喉
(
のどもと
)
へ
突貫
(
つきとほ
)
さんとしけれども
手先
(
てさき
)
狂
(
くる
)
ひて
頬
(
ほゝ
)
より口まで
斬付
(
きりつけ
)
たり源八
悶
(
もだえ
)
ながら顏を見ればお
高
(
たか
)
なりしにぞ
南無
(
なむ
)
三と
蹴倒
(
けたふ
)
して
其所
(
そこ
)
を
飛出
(
とびいだ
)
し
連
(
つれ
)
の
佐
(
さ
)
七と
倶
(
とも
)
に
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
その
疵
(
きず
)
のある
象牙
(
ぞうげ
)
の足の下に身を倒して甘い
焔
(
ほのお
)
を胸の
中
(
うち
)
に受けようと思いながら、その胸は
煖
(
あたた
)
まる
代
(
かわり
)
に冷え切って、
悔
(
くやみ
)
や
悶
(
もだえ
)
や恥のために、身も世もあられぬ
思
(
おもい
)
をしたものが
幾人
(
いくたり
)
あった事やら。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
あはれ、日は血を吐く
悶
(
もだえ
)
あかあかと
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
その感じ、その胸の
悶
(
もだえ
)
を3060
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
片手に余る力を、片手に抜いて、苦しき胸の
悶
(
もだえ
)
を人知れぬ
方
(
かた
)
へ
洩
(
も
)
らさんとするなり。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いや、更に一歩を進めて、あの熱烈なる一封の手紙、陰に陽にその胸の
悶
(
もだえ
)
を訴えて、丁度自然の力がこの身を圧迫するかのように、最後の情を伝えて来た時、その
謎
(
なぞ
)
をこの身が解いて
遣
(
や
)
らなかった。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
悶
漢検準1級
部首:⼼
12画
“悶”を含む語句
煩悶
苦悶
悶々
憂悶
身悶
悶着
悶掻
悶死
悶躁
悶著
悶絶
鬱悶
一悶着
欝悶
憤悶
困悶
悶乱
悶転
悶踠
足悶
...