“悶躁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もが71.4%
もんそう28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでも一生懸命女を捉へようと悶躁もがいて居たが、身體はブルブル顫へて居て、左の手をかけた卓子の上の、硝子瓶が二つ三つ、相觸れてカチカチと音を立てて居た。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「重い泥の中にはまつた心、それはいくら抜け出ようと悶躁もがいても足が動かない。だのに、あの人はたゞ、そこを出て来い、抜け出て来いと叱咜して居る。悲しむで居る。」
脱殻 (新字旧仮名) / 水野仙子(著)
範宴はそれを知るがためにいっそう自責の悶躁もんそうにつつまれた、彼らに対してすら師として臨む資格はないように思われてくる
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元来人間は生きたい生きたいの悶躁もんそうでばかり動いている。そうしてどうかこうか生を寄するの地をつくっているものだ。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)