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ほ
ふりがな文庫
“
恍
(
ほ
)” の例文
歌よめばよくもあしくも、墨磨れば濃けれうすけれ、うれしくも
恍
(
ほ
)
れて書きけり、かなしくも
恍
(
ほ
)
れて書きけり、ただ楽しみて。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
どうかすると女自身ですら自分の声に聞き
恍
(
ほ
)
れるほど巧みに唄つた。私も耳を傾けて、知らない世界の方へ連れられて行くやうな気がした。
犬
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼の言は、孔明の心を、
掌
(
てのひら
)
にのせて解説するようだった。英雄、英雄を知るものかと、張郃は聞き
恍
(
ほ
)
れていた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みじか夜をひびき冴えゆく
築庭
(
つきやま
)
の奧なる瀧に聽き
恍
(
ほ
)
けてゐる
樹木とその葉:24 温泉宿の庭
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
見
(
み
)
ぞ
恍
(
ほ
)
くる
柱
(
はしら
)
がくれのたたずまひ
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
▼ もっと見る
己
(
おの
)
が歌にも聞き
恍
(
ほ
)
れた。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
歌よめばよくもあしくも、墨磨れば濃けれうすけれ、うれしくも
恍
(
ほ
)
れて書きけり、かなしくも
恍
(
ほ
)
れて書きけり、ただ楽しみて。
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
姉の夫も
清
(
すゞ
)
しい好い音聲で故郷の方の俗謠などを歌ひましたが、その聲には私は聞き
恍
(
ほ
)
れる位でした。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
炉の炎が衰えて、暗くなりかけても、炉へ薪をくべ足すことを誰も皆忘れて聞き
恍
(
ほ
)
れていた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いしたたきあきつ蛙子あそび
恍
(
ほ
)
け池にうつれる庭石の影
樹木とその葉:24 温泉宿の庭
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
思
(
おも
)
ひ
恍
(
ほ
)
けてし
常世邊
(
とこよべ
)
の、
美
(
うま
)
し
黄金
(
こがね
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
身の
老
(
おい
)
といふにはあらね、おのれまた若しともなし。さやけさはかかる夜ながら、見の
恍
(
ほ
)
れむ光にあらず。杉木立青きはあれど、
隣山
(
となりやま
)
早やも痩せたり。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
琵琶の上手下手を聞きわける耳のない
蜘蛛太
(
くもた
)
も、足をしばられたように
聴
(
き
)
き
恍
(
ほ
)
れていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ぞ
恍
(
ほ
)
くる柱がくれのたたずまひ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
棗
(
なつめ
)
の花の咲くところ、光は強く、
陽
(
ひ
)
は青し。棗の
下
(
もと
)
に啼く
蛙
(
かはづ
)
、蛙と呼ばひ
恍
(
ほ
)
れ遊ぶ。棗よそよげ、青空に。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
玉璽を
掌
(
て
)
にしたまま孫堅は、茫然と、程普の物語る由来に聞き
恍
(
ほ
)
れていた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春鳥の
枝
(
え
)
に揺る声の、ゆく水のかがよふ音の、朝風の松のひびき、夕風の
小竹
(
ささ
)
のさゆれの、おのづから我よあはれと、あはれにも
恍
(
ほ
)
れて、しらべて、あるべきものを。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
春鳥の
枝
(
え
)
に揺る声の、ゆく水のかがよふ音の、朝風の松のひびき、夕風の
小竹
(
ささ
)
のさゆれの、おのづから我よあはれと、あはれにも
恍
(
ほ
)
れて、しらべて、あるべきものを。
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
起きよとて妻揺りたたき、目ざめよとまた呼び覚まし、口漱ぎ、さて、身をきよめ、さむざむと袂合はし、しみじみと二人い寄り、ひたすらにかくて見
恍
(
ほ
)
れぬ。時ありぬ。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
起きよとて妻揺りたたき、目ざめよとまた呼び覚まし、口漱ぎ、さて、身をきよめ、さむざむと袂
合
(
あ
)
はし、しみじみと二人い寄り、ひたすらにかくて見
恍
(
ほ
)
れぬ。時ありぬ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
御前
(
みまへ
)
に輪を成す雀のむれもみなみな雀の後光をかすかに立ててぞ啼き
恍
(
ほ
)
れ遊ぶ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
御前
(
みまへ
)
に輪を成す雀のむれもみなみな雀の後光をかすかに立てて啼き
恍
(
ほ
)
れ遊ぶ。
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
厳
(
いつ
)
かしきアツシシ、マキリ持ち、研ぎ、あぐらゐ、
夜
(
よる
)
なす眼の
窩
(
くぼ
)
のアイヌ、今は善し、オンコ削ると、
息長
(
おきなが
)
に
息吹
(
いぶ
)
き沈み、
恍
(
ほ
)
れ遊び、心足らふと、そのオンコ、たらりたらりと削りけるかも。
篁
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
樂しみとひとり
恍
(
ほ
)
れつつ磨る墨はむべこまやかにとろりとあるべし
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
楽しみとひとり
恍
(
ほ
)
れつつ磨る墨はむべこまやかにとろりとあるべし
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ある時は赤々と日のそそぎやまぬ
首縊
(
くびくく
)
りの家を見
恍
(
ほ
)
れてゐたり
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
現
(
うつ
)
しくも
恍
(
ほ
)
れたる春のゆふなげきおのれ揺りあぐる声の
羨
(
とも
)
しさ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
とりどりに木の
上
(
へ
)
にあそぶ雀子のそそり
恍
(
ほ
)
れたる声の
羨
(
とも
)
しさ
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
めでたかる世々の
匠
(
たくみ
)
は言挙げずただ
恍
(
ほ
)
れゐつその楽しみに
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
よく遊ぶ印旛びとかも鉦うちて遊ぶみぎりは
恍
(
ほ
)
れし顔せり
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あかき日の光の中に
転
(
ころ
)
げ出て
恍
(
ほ
)
れたる豆が声絶えてゐる
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
オンコ(水松)そぎ、心
恍
(
ほ
)
れり。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
にほひばかりに
恍
(
ほ
)
れてやら。
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
恍
(
ほ
)
れ、遊び、心足らふと
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
戰ひ、戰ひ
恍
(
ほ
)
れ
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
戦ひ、戦ひ
恍
(
ほ
)
れ
新頌
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聞き
恍
(
ほ
)
れて
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
恍
漢検1級
部首:⼼
9画
“恍”を含む語句
恍惚
恍然
恍惚境
恍乎
見恍
空恍
寝恍
寝恍顔
恍惚郷
聞恍
淑奇恍惚
恍爾
恍然魅了
恍焉
恍気
大恍
恍惚感
恍呆
恍々惚々
寐恍