)” の例文
歌よめばよくもあしくも、墨磨れば濃けれうすけれ、うれしくもれて書きけり、かなしくもれて書きけり、ただ楽しみて。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
どうかすると女自身ですら自分の声に聞きれるほど巧みに唄つた。私も耳を傾けて、知らない世界の方へ連れられて行くやうな気がした。
(新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
彼の言は、孔明の心を、てのひらにのせて解説するようだった。英雄、英雄を知るものかと、張郃は聞きれていた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みじか夜をひびき冴えゆく築庭つきやまの奧なる瀧に聽きけてゐる
くるはしらがくれのたたずまひ
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
おのが歌にも聞きれた。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
歌よめばよくもあしくも、墨磨れば濃けれうすけれ、うれしくもれて書きけり、かなしくもれて書きけり、ただ楽しみて。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
姉の夫もすゞしい好い音聲で故郷の方の俗謠などを歌ひましたが、その聲には私は聞きれる位でした。
炉の炎が衰えて、暗くなりかけても、炉へ薪をくべ足すことを誰も皆忘れて聞きれていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いしたたきあきつ蛙子あそびけ池にうつれる庭石の影
おもけてし常世邊とこよべの、うま黄金こがね
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
身のおいといふにはあらね、おのれまた若しともなし。さやけさはかかる夜ながら、見のれむ光にあらず。杉木立青きはあれど、隣山となりやま早やも痩せたり。
琵琶の上手下手を聞きわける耳のない蜘蛛太くもたも、足をしばられたようにれていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見ぞくる柱がくれのたたずまひ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
なつめの花の咲くところ、光は強く、は青し。棗のもとに啼くかはづ、蛙と呼ばひれ遊ぶ。棗よそよげ、青空に。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
玉璽をにしたまま孫堅は、茫然と、程普の物語る由来に聞きれていた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春鳥のに揺る声の、ゆく水のかがよふ音の、朝風の松のひびき、夕風の小竹ささのさゆれの、おのづから我よあはれと、あはれにもれて、しらべて、あるべきものを。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
春鳥のに揺る声の、ゆく水のかがよふ音の、朝風の松のひびき、夕風の小竹ささのさゆれの、おのづから我よあはれと、あはれにもれて、しらべて、あるべきものを。
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
起きよとて妻揺りたたき、目ざめよとまた呼び覚まし、口漱ぎ、さて、身をきよめ、さむざむと袂合はし、しみじみと二人い寄り、ひたすらにかくて見れぬ。時ありぬ。
起きよとて妻揺りたたき、目ざめよとまた呼び覚まし、口漱ぎ、さて、身をきよめ、さむざむと袂はし、しみじみと二人い寄り、ひたすらにかくて見れぬ。時ありぬ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
御前みまへに輪を成す雀のむれもみなみな雀の後光をかすかに立ててぞ啼きれ遊ぶ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
御前みまへに輪を成す雀のむれもみなみな雀の後光をかすかに立てて啼きれ遊ぶ。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつかしきアツシシ、マキリ持ち、研ぎ、あぐらゐ、よるなす眼のくぼのアイヌ、今は善し、オンコ削ると、息長おきなが息吹いぶき沈み、れ遊び、心足らふと、そのオンコ、たらりたらりと削りけるかも。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
樂しみとひとりれつつ磨る墨はむべこまやかにとろりとあるべし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
楽しみとひとりれつつ磨る墨はむべこまやかにとろりとあるべし
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ある時は赤々と日のそそぎやまぬ首縊くびくくりの家を見れてゐたり
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うつしくもれたる春のゆふなげきおのれ揺りあぐる声のともしさ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
とりどりに木のにあそぶ雀子のそそりれたる声のともしさ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
めでたかる世々のたくみは言挙げずただれゐつその楽しみに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
よく遊ぶ印旛びとかも鉦うちて遊ぶみぎりはれし顔せり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あかき日の光の中にころげ出てれたる豆が声絶えてゐる
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
オンコ(水松)そぎ、心れり。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
にほひばかりにれてやら。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
れ、遊び、心足らふと
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
戰ひ、戰ひ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
戦ひ、戦ひ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
聞きれて
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)