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応挙
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おうきょ
ふりがな文庫
“
応挙
(
おうきょ
)” の例文
幽霊の絵もこの類を漏れず、如何にも幽霊らしい、本当の幽霊とはどんな感じだろうという幽霊のかかれたのは
応挙
(
おうきょ
)
以来だという事だ。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
たちまち、一羽立ち二羽立ち、ざあっと羽音も
清々
(
すがすが
)
しく、冬晴れの真ッ青な空へ雪白をちらして、
応挙
(
おうきょ
)
の
千羽鶴
(
せんばづる
)
のように群れ立つのへ
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
しかしもしわが国の動物画家たる
応挙
(
おうきょ
)
にこの文字を示したならば、彼は
大
(
おおい
)
に喜んでこれ真の動物描写であるというであろう。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ただし、この方は掛物の前に立って、はあ
仇英
(
きゅうえい
)
だね、はあ
応挙
(
おうきょ
)
だねと云うだけであった。面白い顔もしないから、面白い様にも見えなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
応挙
(
おうきょ
)
や、
北斎
(
ほくさい
)
や、ロダンや、セザンヌやの如く、純粋に観照的な態度によって、確実に事物の真相を
掴
(
つか
)
もうとするところの、美術家の中の美術主義者が居る。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
水を描いて
応挙
(
おうきょ
)
の右に出づるものはないが、まだ大洋の水を写したのを見ない、房総の鼻をめぐって見ろと人から勧められたままに、出て来たのだということです。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかるにまた大多数の人〻はそれでは
律義
(
りちぎ
)
過ぎて面白くないから、コケが東西南北の
水転
(
みずてん
)
にあたるように、
雪舟
(
せっしゅう
)
くさいものにも眼を
遣
(
や
)
れば
応挙
(
おうきょ
)
くさいものにも手を出す
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
伊藤は
牙籌
(
がちゅう
)
一方の人物で、眼に一丁字なく、かつて
応挙
(
おうきょ
)
の
王昭君
(
おうしょうくん
)
の幅を見て、「椿岳、これは
八百屋
(
やおや
)
お七か」と
訊
(
き
)
いたという奇抜な逸事を残したほどの無風流漢であった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
松山を御出立の前夜湊町の向井へおともして買っていただいた
呉春
(
ごしゅん
)
と
応挙
(
おうきょ
)
と
常信
(
つねのぶ
)
の画譜は今でも持っておりますが、あのお離れではじめて知った雑誌の名が『帝国文学』で
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
床の間には、
写
(
うつし
)
で見て知っている、
応挙
(
おうきょ
)
の美女の幽霊が、おなじく写して掛っていた。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、
栖鳳
(
せいほう
)
や
大観
(
たいかん
)
のうまさではない。
靫彦
(
ゆきひこ
)
、
古径
(
こけい
)
でもない。
芳崖
(
ほうがい
)
、
雅邦
(
がほう
)
でもない。
華山
(
かざん
)
、
竹田
(
ちくでん
)
、
木米
(
もくべい
)
でもない。
呉春
(
ごしゅん
)
あるいは
応挙
(
おうきょ
)
か。ノー。
河豚のこと
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
発起人は、絵師の
応挙
(
おうきょ
)
の内弟子、その正月をとって、十七歳になる仁太郎だった。
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大雅
(
たいが
)
、
応挙
(
おうきょ
)
、
月渓
(
げっけい
)
などといふ画人が、急に世にときめき出したのも、
癪
(
しゃく
)
に触つた。
上田秋成の晩年
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
京師
(
けいし
)
に
応挙
(
おうきょ
)
という画人あり。生まれは
丹波
(
たんば
)
の
笹山
(
ささやま
)
の者なり。京にいでて一風の画を描出す。唐画にもあらず。和風にもあらず。自己の
工夫
(
くふう
)
にて。
新裳
(
しんしょう
)
を出しければ。京じゅう妙手として。
人の言葉――自分の言葉
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
居間の床の間に、
擬
(
まが
)
いの
応挙
(
おうきょ
)
らしい一幅の前に、これだけは見事な碁盤と埋れ木細工の
対
(
つい
)
の石入れがあったことを思い出しながら、伝二郎はなれなれしく飯をかっこむ真似をして見せた。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
もし彼をして力を絵画に伸ばさしめば日本画の上に一生面を開き得たるべく、
応挙
(
おうきょ
)
輩をして名を
擅
(
ほしいまま
)
にせしめざりしものを、彼はそれをも
得為
(
えな
)
さざりき。余は日本の美術文学のために惜む。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
君までがそんな事を言っているのか。妙な事を聞くが君の家の客室に
応挙
(
おうきょ
)
の
鶏
(
とり
)
を
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
精神病で滅亡した家の宝物になっていた
応挙
(
おうきょ
)
筆の幽霊画像——
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
無理かも知れぬが、試みに画家に例えるならば、
栖鳳
(
せいほう
)
や
大観
(
たいかん
)
の美味さではない。
靫彦
(
ゆきひこ
)
、
古径
(
こけい
)
でもない。
芳崖
(
ほうがい
)
、
雅邦
(
がほう
)
でもない。
崋山
(
かざん
)
、
竹田
(
ちくでん
)
、
木米
(
もくべい
)
でもない。
呉春
(
ごしゅん
)
あるいは
応挙
(
おうきょ
)
か。ノー。
河豚は毒魚か
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
(色彩に関する例を挙ぐれば春の木の芽の色を樹によつて染分けたるが如き、夜間燈火の映じたる樹を写したるが如き)絵画における彼の眼光は極めて高く、到底
応挙
(
おうきょ
)
、
呉春
(
ごしゅん
)
等の及ぶ所に非ず。
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
応挙
(
おうきょ
)
が幽霊を
描
(
えが
)
くまでは幽霊の美を知らずに打ち過ぎるのである。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
呉春
(
ごしゅん
)
はしやれたり、
応挙
(
おうきょ
)
は真面目なり、余は応挙の真面目なるを愛す。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
するとそこに
応挙
(
おうきょ
)
の絵がずらりと十幅ばかりかけてあった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
応
常用漢字
小5
部首:⼼
7画
挙
常用漢字
小4
部首:⼿
10画
“応挙”で始まる語句
応挙風