往復おうふく)” の例文
線路せんろ修繕しゅうぜんされて、やがて列車れっしゃは、いままでのように往復おうふくするようになりました。そのになって、ふたたびおなじような事件じけんかえされました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
早速さっそくこれをゆるし宗伯を熱海につかわすこととなり、爾来じらい浅田はしばしば熱海に往復おうふくして公使を診察しんさつせり。
新橋しんばし上野うえの浅草あさくさの間を往復おうふくしていた鉄道馬車がそのまま電車に変ったころである。わたくしは丁度そのころに東京を去り六年ぶりに帰ってきた。東京市中の街路はいたる処旧観を失っていた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「お前に退治が出来たら、おひる前のうちに江戸えどまで三度往復おうふくして見せる。」
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
時間じかんいくかいとなく、貨車かしゃや、客車きゃくしゃ往復おうふくするために、ねつはっし、はげしく震動しんどうする線路せんろでも、ある時間じかんは、きわめてしんとして、つめたく白光しろびかりのする鋼鉄こうてつおもて
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かくて事のようやく進むや外国奉行がいこくぶぎょう等は近海巡視きんかいじゅんしなど称し幕府の小軍艦にじょうじて頻々ひんぴん公使のもと往復おうふくし、他の外国人のしらぬ間に約束やくそく成立せいりつして発表はっぴょうしたるは、すなわち横須賀造船所よこすかぞうせんじょの設立にして
おとなは自転車じてんしゃで一日に往復おうふくしましたが、やっと十一さいの林太郎が、それも小さな足でぽつぽつ歩いて、まだ一度も歩いたことのない道をいこうというのですから、それはずいぶんの冒険ぼうけんでした。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
そして、駅前えきまえから、あちらのやまのふもとの村々むらむらへいく、馬車ばしゃがとまっていました。いぜんには、バスが往復おうふくしていたが、戦争せんそうがはじまってから、馬車ばしゃにかわったのでした。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
鉛色なまりいろをした、ふゆあさでした。往来おうらいには、まだあまり人通ひとどおりがなかったのです。ひろみち中央ちゅうおう電車でんしゃだけが、うしおしよせるようなうなりごえをたて、うすぐらいうちから往復おうふくしていました。
波荒くとも (新字新仮名) / 小川未明(著)
学校がっこうへの往復おうふくともだちは、こういったものです。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)