幾歳いくとせ)” の例文
『カッフェエ・ロリアン』にて恥かしき目にあひけるとき、救ひ玉はりし君をまた見むとおもふ心を命にて、幾歳いくとせをか経にけむ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ごまめの目ほどの真珠を附けたる指環をだに、この幾歳いくとせ念懸ねんがくれどもいまだ容易に許されざる娘の胸は、たちまち或事を思ひ浮べて攻皷せめつづみの如くとどろけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ついちかくは、ちかく、一昔前ひとむかしまへ矢張やつぱまへ道理だうりおいとしへだてないはずはないから、とをから三十までとしても、あひだはずとも二十ねんつのに、最初さいしよつたときから幾歳いくとせても
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「将軍。あなたは郷里の蒲東ほとうを出てから、幾歳いくとせになりますか」と、たずねた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昨日きのう御身に聞きたきことありといひしが、余の事ならず」ト、いひさしてかたちをあらため、「それがし幾歳いくとせ劫量こうろうて、やや神通を得てしかば、おのずから獣の相を見ることを覚えて、とおひとつあやまりなし。 ...
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
つくさして引入ひきいれしすくなからず塞翁さいをうがうまきことして幾歳いくとせすぎし朝日あさひのかげのぼるがごといまさかゑみな松澤まつざは庇護かげなるものから喉元のどもとすぐればわするゝあつ對等たいとう地位ちゐいたればうへこぶうるさくなりてひとりつく/″\あんずるやうけい十町じつちやう
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ああはれ、その幾歳いくとせ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
思ひとりしは幾歳いくとせ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
渠は思うままにこの鉄拐を振り舞わして、天高く、地広く、この幾歳いくとせをのどかに過ごしたりけるが、いまやすなわちしからざるなり。村越欣弥は渠が然諾を信じて東京に遊学せり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああはれ、その幾歳いくとせ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
一昔前は矢張やっぱり前、道理に於て年を隔てない筈はないから、とおから三十までとしても、そのあいだは言わずとも二十年経つのに、最初逢った時から幾歳いくとせを経ても、婦人おんな二人は何時も違わぬ
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ああはれ、その幾歳いくとせ
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ああはれ、その幾歳いくとせ
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)