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帯刀
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たてわき
ふりがな文庫
“
帯刀
(
たてわき
)” の例文
旧字:
帶刀
「はい、
帯刀
(
たてわき
)
さまの奥さま嬢さまがたがお預けになりましたとき、おばあさま、——慶月院さまから、付いてゆけと申されましたので」
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
明治新政府の外交官として伊藤〔
博文
(
ひろぶみ
)
〕、井上〔
馨
(
かおる
)
〕、後藤(
象二郎
(
しょうじろう
)
)、寺島〔
宗則
(
むねのり
)
〕、小松(
帯刀
(
たてわき
)
)や我輩が任命せられた。
青年の天下
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
「これはいったいどうしたことだ?
帯刀
(
たてわき
)
様の下屋敷ではないか」後をつけて来た葉之助は、驚いて呟いたものである。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
松平信祝からの火急の使者が来たので、紀州家
附家老
(
つけがろう
)
、安藤
帯刀
(
たてわき
)
は、自慢の
南紀重国
(
なんきしげくに
)
の脇差と、蜜柑
一籠
(
ひとかご
)
とを、家来に持たせて、
駕
(
かご
)
を急がせてきた。
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
次に
麻布
(
あざぶ
)
の或る家に奉公した。次に本郷弓町の
寄合衆
(
よりあいしゅう
)
本多
帯刀
(
たてわき
)
の家来に、遠い親戚があるので、そこへ手伝に往った。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
大坂を立つ時は小松
帯刀
(
たてわき
)
と伊藤俊介とが付き添い、京都にはいった時は中井弘蔵と後藤象次郎とが伏見
稲荷
(
いなり
)
の辺に出迎え、無事に智恩院の旅館に到着した。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そしてついに安倍野であのような忠烈な戦死をとげたのだ。……それとくらべて、楠木
帯刀
(
たてわき
)
正行はどうかの?
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かなりの大豪傑であろうと思われるが、しかし、薩摩において西郷ばかりが人物ではあるまい、小松
帯刀
(
たてわき
)
や大久保一蔵は、西郷に優るとも劣ることなき豪傑だという評判じゃ
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一体この堤の草は近所の大名屋敷や旗本屋敷で
飼馬
(
かいば
)
の料に刈り取ることになっていまして、筋違から
和泉橋
(
いずみばし
)
のあたりは市橋
壱岐守
(
いきのかみ
)
と富田
帯刀
(
たてわき
)
の屋敷の者が刈りに来ていたんですが
半七捕物帳:43 柳原堤の女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小大夫(小松
帯刀
(
たてわき
)
)
手紙:015 慶応元年閏五月五日 渋谷彦介あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
乾鮭や
帯刀
(
たてわき
)
殿の台所
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
松平
帯刀
(
たてわき
)
乱世
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「役人たちは礼を尽した応待だった、なかにも囚獄奉行の石出
帯刀
(
たてわき
)
は、我々を招じて左内の在獄中の起居から最期の模様まで精しく語って呉れた」
城中の霜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
怖ろしく短気に見える信長の一面に、こういう気長な
寛度
(
かんど
)
があるのが、
帯刀
(
たてわき
)
には、ふしぎにさえ思われた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小松
帯刀
(
たてわき
)
、木戸準一郎、
後藤象次郎
(
ごとうしょうじろう
)
、伊藤俊介、それに京都旅館の準備と接待とを命ぜられた中井
弘蔵
(
こうぞう
)
なぞは、どんな手配りをしてもその勤めを果たさねばならない。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
融通
(
ゆうずう
)
の利かぬ男じゃから、
帯刀
(
たてわき
)
と談合の上、
丁度
(
ちょうど
)
、感応院の蔵の中に、宝沢の笠のあったのを幸い、犬の血をつけて、切り目を作っての、越前の下役共の先廻りをして
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
帯刀
(
たてわき
)
ヲ世話ヲシタコトヲ思イ出シタカラ、問屋ヘ行ッテ、雨ノ森ノ神主中村
斎宮
(
いつき
)
マデ、水戸ノ御祈願ノコトデ行クカラ
駕籠
(
かご
)
ヲ出セトイウト、直グニ駕籠ヲ出シテクレタカラ、乗ッテ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そうして騒動の元兇は、これは少しく
畏
(
おそ
)
れ多いが殿のご舎弟
帯刀
(
たてわき
)
様だ。……いやいやこれには理由がある。しかしそれはゆっくりと云おう。ところで二人の相棒がある。玄卿と大鳥井紋兵衛だ。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
有名な中川
帯刀
(
たてわき
)
もやはりこの番士の一人でした。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
小砂利の鳴る音を聞いたからであるが、振返ってみると
帯刀
(
たてわき
)
であった。
萱笠
(
すげがさ
)
をかぶり
短袴
(
たんこ
)
に草履ばきで、
釣竿
(
つりざお
)
と
魚籠
(
びく
)
を持ち、
餌箱
(
えばこ
)
を
紐
(
ひも
)
で肩に掛けていた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
明智
茂朝
(
しげとも
)
、村越三十郎、進士作左衛門、堀与次郎、比田
帯刀
(
たてわき
)
などの腹心たちはそう慰め合っていた。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
京都の方へは中井
弘蔵
(
こうぞう
)
が数日前に先発し、小松
帯刀
(
たてわき
)
、伊藤
俊介
(
しゅんすけ
)
らは英国公使と同道で大坂を立って行った。ロセスらの一行が途中の無事を祈り顔な
東久世通禧
(
ひがしくぜみちとみ
)
の名代もその
艀
(
はしけ
)
まで見送りに来た。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それにもう一つ紋兵衛は、五千石の旗本で、駿河守には実の舎弟、森家へ養子に行ったところから、森
帯刀
(
たてわき
)
と呼ばれるお方から、密々に
使者
(
つかい
)
を
戴
(
いただ
)
いていたので、上京しなければならないのであった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
帯刀
(
たてわき
)
は話しをやめて、じっと
宇乃
(
うの
)
の横顔を見まもった。彼は原田家の嗣子で、年は十七歳になる。父の甲斐には似ていない、おそらく母親似なのであろう。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
師泰
(
もろやす
)
、
帯刀
(
たてわき
)
の両将が、
勝戦
(
かちいくさ
)
のよしを
言上
(
ごんじょう
)
のため、
坪
(
つぼ
)
の内へ来て、さしひかえておりますが」
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宗誠は元服して
帯刀
(
たてわき
)
となのらせた。そして端午の節句を済ませると、甲斐は甚次郎(山)の小屋へ去った。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おそれいるが、
帯刀
(
たてわき
)
殿御一名だけ、もいちど御所の別院までお立返りくだされまいか」
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いまいる
帯刀
(
たてわき
)
でさえ、できるなら縁を切ってしまいたい。自分は「独り」でありたい、と甲斐は思った。
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その御放言こそ、すでに死を急がれておる
証
(
しるし
)
です。
帯刀
(
たてわき
)
はあくまでもお止め申しあげる。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのころ能登守には
帯刀
(
たてわき
)
という世子がいたし、その下にも右京、主計、市蔵など男子が五人もあった。
野分
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
謙信が人いちばい目をかけていた山本
帯刀
(
たてわき
)
などは、
阿修羅
(
あしゅら
)
とさえ称ばれた者であった。いつの戦いでも、
退
(
ひ
)
け
鉦
(
がね
)
が鳴って味方が退き出しても、いちばん最後でなければ敵中から帰って来なかった。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
七十日ほどまえ、物頭の上田
帯刀
(
たてわき
)
(仲敏)という者が、咎めを受けて、家禄没収、その身は片倉小十郎に預けられ、妻子は古内源太郎に預けられる、ということになった。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
さような時も時なる折に、敵の真正面にあたるべき
帯刀
(
たてわき
)
正行が、一夜を母のふところへ帰って寝、また一日を悠々と、ここの
行宮
(
あんぐう
)
になど
罷
(
まか
)
り出て来てよいものか。あまりと申せば敵を知らなすぎる。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ただ一つだけ申しましょう。こんど孫の
帯刀
(
たてわき
)
に縁談が起こりました、相手は松山の娘です」
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と、細川
帯刀
(
たてわき
)
と、高ノ師泰とは、こもごも彼の前に報告しだした。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「この下屋敷の年寄役だ、名は
帯刀
(
たてわき
)
と云って、なかなか頑固でむずかしいじいさんだよ」
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
不審
(
いぶか
)
るひまに、
帯刀
(
たてわき
)
はそこを起って、もう望楼へ上っていた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明くる日、——高木新左衛門は律之助をつれて小伝馬町の牢へゆき、囚獄奉行の石出
帯刀
(
たてわき
)
に彼をひきあわせた。高木はなにも云わなかったし、律之助もよけいなことは訊かなかった。
しじみ河岸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
帯刀
(
たてわき
)
は、責められたように、無言で
頭
(
ず
)
を下げた。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝田
隼人
(
はやと
)
が江戸から帰るとすぐに、小池
帯刀
(
たてわき
)
が訪ねて来た。
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「——それでもよい。まあいうてみい、
帯刀
(
たてわき
)
」
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帯刀
(
たてわき
)
も、その功臣中の一名の子だった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
帯刀
(
たてわき
)
。なぜ止める?」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
帯刀
(
たてわき
)
か。なんじゃ」
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“帯刀”の意味
《名詞》
体に刀を帯びること。また、その刀。佩刀。
(歴史)刀を有し街中で帯びるという武士に認められた権利。
(出典:Wiktionary)
帯
常用漢字
小4
部首:⼱
10画
刀
常用漢字
小2
部首:⼑
2画
“帯刀”で始まる語句
帯刀先生義賢
帯刀殿
帯刀先生
帯刀則家
帯刀宗誠
帯刀正行
帯刀直次
帯刀騎射
帯刀先生源義賢