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小
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ちっ
ふりがな文庫
“
小
(
ちっ
)” の例文
彼は、そっと、人のいないのを見すまして、衣裳部屋に潜り込み、葉子の
小
(
ちっ
)
ちゃい肉襦袢に、醜悪な顔を、
埋
(
うず
)
めていた事もあった。
夢鬼
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
あんなに
小
(
ちっ
)
ぽけな、瘠せた
小伜
(
せがれ
)
であった浩が、自分より大きな、ガッシリと頼もしげな若者になっているのを、むさぼるように見ると
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
それにしても、あるかなきかの息をしながら身動もしないで、すやすや眠ってる赤児の存在が、可愛いいというよりも余りに
小
(
ちっ
)
ちゃかった。
幻の彼方
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「なんや、こう、手に持って、パッと火のつく、
小
(
ちっ
)
さな機械やったわ。煙草のみはるのに、煙管に、マッチとは違うた、その機械でつけはったでっしゃろ?」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
あの男も……惣吉様
小
(
ちっ
)
せえだけんども
怜悧
(
りこう
)
だから
矢張
(
やっぱり
)
名残い惜がって、
昨宵
(
ゆうべ
)
も
己
(
おい
)
らは行くのは
厭
(
いや
)
だけんども
母様
(
かゝさま
)
が行くから仕方がねえ行くだって得心したが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
あの小僧は
小
(
ちっ
)
ちゃくて
容姿
(
ようす
)
が
美
(
い
)
いので毛唐の
変態好色
(
すけべえ
)
連中が非常に
好
(
す
)
くんだそうです。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
丑尾さんが着古した
袖無
(
そでなし
)
のちゃんちゃんを着て、頭を
小
(
ちっ
)
ちゃなおちごに
結
(
ゆ
)
っていたことと、それから、その日の小春の日影が実にうららかに暖かくのどかであったということだけである。
重兵衛さんの一家
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
三畳の窓を
潜
(
くぐ
)
って、
小
(
ちっ
)
こい、
庭境
(
にわざかい
)
の
隣家
(
となり
)
の塀から入ったな。争われぬもんだってば。……入った処から出て行くだからな。壁を
摺
(
ず
)
って、窓を
這
(
は
)
って、あれ板塀にひッついた、とかげ野郎。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ようがす、その香盒とやらの形はどんなものだと聞くと、
直径
(
さしわたし
)
三寸ぐらいの丸い
小
(
ちっ
)
ぽけなもので、
黄金
(
きん
)
で出来ていて、曼陀羅とかお題目とか、むずかしいものが彫ってあるんだそうだ」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
二人くらべると私が
如何
(
いか
)
にも
小
(
ちっ
)
ぽけなように思われたので、今までの考をやめてしまったのです。そして文学者になりました。その結果は——分りません。恐らく死ぬまで分らないでしょう。
無題
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しっかりしろよ、なあ、ガスパール
★
! あの可哀そうな
小
(
ちっ
)
ちゃな
玩具
(
おもちゃ
)
の身にとってみれあ、生きてるよりはああして死ぬ方がまだしもましなんだ。苦しみもせずにじきに死んだんだからな。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
まさかこの
小
(
ちっ
)
ぽけな島、
馬島
(
うましま
)
という島、人口百二十三の一人となって、二十人あるなしの小供を
対手
(
あいて
)
に、やはり例の教員、然し今度は私塾なり、アイウエオを教えているという事は御存知あるまい。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「あはあ、なるほど、まだわからないんだな。
小
(
ちっ
)
ちゃいからな。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「やあ
小
(
ちっ
)
ちゃい島があらあ」
加利福尼亜の宝島:(お伽冒険談)
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
五八「なに身い投るって、止しなせえ、止すが
宜
(
え
)
えよ、此んな
小
(
ちっ
)
けえ
所
(
とこ
)
へ
這入
(
へえ
)
って死ねるもんじゃアねえ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
右の小僧按摩を——
小一
(
こいち
)
と申したでござりますが、本名で、まだ
市名
(
いちな
)
でも、斎号でもござりません、……見た処が余り
小
(
ちっ
)
こいので、お客様方には十六と申す事に、師匠も言いきけてはありますし
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ナニ、たかの知れた鍔の象眼、縁頭の朧銀が何だ、
小
(
ちっ
)
ぽけな金無垢……
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
男が先へ
入
(
ひえ
)
っていりゃア
間
(
ま
)
を悪がって
入
(
ひえ
)
れめえから、
小
(
ちっ
)
さくなってると、誰もいねえと思ってすっと
入
(
ひえ
)
って来ると、
己
(
おら
)
アこゝにいたよって手を
押
(
つか
)
めえて引入れると、お
前
(
めえ
)
来ねえかと思ったよ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“小”の意味
《名詞》
(ショウ)ちいさいこと。
(出典:Wiktionary)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
“小”を含む語句
小便
小女
小刀
小屋
小僧
小路
小児
小舟
小童
小人
小竹
矮小
小兒
小娘
小角
小波
小野
小説
小婢
小字
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