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小笊
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こざる
ふりがな文庫
“
小笊
(
こざる
)” の例文
なんで、お驚きなされたか、自分にはとんと分らぬが、此方のすがたを見ると、ご老母が、この
小笊
(
こざる
)
を捨ててお逃げなされた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
店の前の椅子に劉任瞻が腰かけて、
小笊
(
こざる
)
[#「
小笊
(
こざる
)
」は底本では「
小※
(
こざる
)
」]に盛った穀物を両手に揉んでは、笊を揺すって
籾殻
(
もみがら
)
を吹いている。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
「
堀
(
ほり
)
の
側
(
そば
)
へは
行
(
え
)
ぐんぢやねえぞ、
衣物
(
きもの
)
汚
(
よご
)
すと
聽
(
き
)
かねえぞ」おつぎがいふのを
耳
(
みゝ
)
へも
入
(
い
)
れないで
小笊
(
こざる
)
を
手
(
て
)
にして
走
(
はし
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
役者の
仕着
(
しき
)
せを着た
賤
(
いや
)
しい顔の男が、
渋紙
(
しぶかみ
)
を張った
小笊
(
こざる
)
をもって、次の幕の料金を集めに来たので、長吉は時間を心配しながらもそのまま居残った。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
子供たちのすべてが傘をあみだにして下段の方を見ると、ムク犬が首に
小笊
(
こざる
)
を下げて、
悠々
(
ゆうゆう
)
とのぼって来る。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
手に
小笊
(
こざる
)
を持った男の子が
兎
(
うさぎ
)
のようにきょときょとして出て来た。
草藪の中
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
そして、その手には、草の根を掻きわけて探した、まだ若い
嫁菜
(
よめな
)
だの、
蕗
(
ふき
)
のとうだの、いろいろな菜根が
小笊
(
こざる
)
の中へ
摘
(
つ
)
みこまれて持たれていた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
役者の
仕着
(
しき
)
せを着た
賤
(
いや
)
しい顔の男が、
渋紙
(
しぶかみ
)
を張つた
小笊
(
こざる
)
をもつて、次の
幕
(
まく
)
の料金を集めに来たので、
長吉
(
ちやうきち
)
は時間を心配しながらも
其
(
そ
)
のまゝ
居残
(
ゐのこ
)
つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
村落
(
むら
)
の
子供等
(
こどもら
)
は「三
平
(
ぺい
)
ぴいつく/\」と
雲雀
(
ひばり
)
の
鳴聲
(
なきごゑ
)
を
眞似
(
まね
)
しながら、
小笊
(
こざる
)
を
持
(
も
)
つたり
叉手
(
さで
)
を
持
(
も
)
つたりしてぢやぶ/\と
快
(
こゝろ
)
よい
田圃
(
たんぼ
)
の
水
(
みづ
)
を
渉
(
わた
)
つて
歩
(
ある
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
湯をこぼして
小笊
(
こざる
)
の中へ栗を入れて、それと鉄瓶の水を入れ換えたのを両手に持って
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
殊さらに親しみを見せ、そばへ寄って、
小笊
(
こざる
)
の中の青いものを覗きかけると、老尼は、
愕然
(
がくぜん
)
と小笊をそこへ捨てて
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
は
小言
(
こごと
)
は
耳
(
みゝ
)
へも
入
(
い
)
れないで「
※
(
ねえ
)
よう
見
(
み
)
ろよう」と
小笊
(
こざる
)
を
枉
(
ま
)
げてはちよこ/\と
跳
(
は
)
ねるやうにして
小刻
(
こきざ
)
みに
足
(
あし
)
を
動
(
うご
)
かしながらおつぎの
譽
(
ほ
)
める
詞
(
ことば
)
を
促
(
うなが
)
して
止
(
や
)
まない。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
傘をさして、手には
小笊
(
こざる
)
を提げております。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
蕗
(
ふき
)
の
薹
(
とう
)
を
摘
(
つ
)
んだ
小笊
(
こざる
)
の中へ、
藪椿
(
やぶつばき
)
を一枝折って、それを袂に
抱
(
かか
)
えながら、彼女はわが家の台所口へ戻って来た。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、次郎は
仮面
(
めん
)
の目の穴から半五郎の膳をのぞき、
小笊
(
こざる
)
の中に食べ残してあるきぬかつぎを見つけて、その皮をむいては仮面の下からムシャムシャと頬張って
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鶏師は、
小笊
(
こざる
)
の中の銭を、何枚もかぞえた。小冠者も出して、一しょにおいた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とだけいって、またざぶざぶ
小笊
(
こざる
)
を小川に
浸
(
ひた
)
して振っていた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
笊
漢検1級
部首:⽵
10画
“小”で始まる語句
小
小児
小径
小鳥
小僧
小言
小路
小遣
小刀
小父