小作人こさくにん)” の例文
むかしむかしいまいまだ。この大地主おおじぬしともあろうものが、小作人こさくにんといっしょにはたらくこともあるまい。」と、いいました。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自作農にも小作人こさくにんにも、生産の労働は玄米俵入げんまいたわらいれ、すなわち臼場うすばの仕事の終りまで続くので、だからまた臼じまい、庭仕舞にわじまいの祝というものが始まったのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
安城平都あんじょうへいと県の尹氏いんしの宅は郡の東十里の日黄じつこう村にあって、そこに小作人こさくにんも住んでいた。
あなたの生徒は貧しい女の子ばかり——小作人こさくにんの子供たちか——上等の部で土地持の百姓の娘たちなんですよ。編物あみもの、裁縫、習字、算術なんぞがあなたの教へねばならぬ全部なんですよ。
幻花子げんくわし種々いろ/\珍品ちんぴんれたことから、地主ぢぬしとの衝突奇談しようとつきだん小作人こさくにんとの大喧嘩おほけんぐわ小南保之助氏こみなみやすのすけし貝塚かひづか奇遇談きぐうだんやら、足立博士あだちはかせ學士時代がくしじだい此所こゝはちされたはなしやら、却々なか/\面白おもしろい。
貧乏びんばふ小作人こさくにんつねとして彼等かれら何時いつでも恐怖心きようふしんおそはれてる。こと地主ぢぬしはゞかることは尋常じんじやうではない。さうして自分じぶんつくきたつた土地とちんでもかぢいてたいほどそれををしむのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
小作人こさくにんには、やかましく年貢ねんぐてるし、それでもりないので、鉱山こうざんや、相場そうばでもうけようとして、かえって、すっかり財産ざいさんくしてしまい、いえも、土地とち
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
庄次は小作人こさくにんの子でありました。彼の家は土着どちやくの百姓であります。
白瓜と青瓜 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すると、このむらに、大金持おおがねもちで、たくさんの小作人こさくにん使用しようして、また銀行ぎんこう預金よきんをして、なにをすることもなく、おくっている人間にんげんがありました。しいものは、なんでもいました。
天下一品 (新字新仮名) / 小川未明(著)