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かんがん
ふりがな文庫
“
宦官
(
かんがん
)” の例文
この刑を受けた者を
閹人
(
えんじん
)
と称し、宮廷の
宦官
(
かんがん
)
の大部分がこれであったことは言うまでもない。人もあろうに
司馬遷
(
しばせん
)
がこの刑に
遭
(
あ
)
ったのである。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
ある
似而非
(
えせ
)
コルネイユがティリダートを書き、ある
宦官
(
かんがん
)
が後宮を所有し、陸軍のあるプルュドンムが偶然に一時期を画すべき決定的勝利を得
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼の養祖父の
曹騰
(
そうとう
)
は、漢朝の
中常侍
(
ちゅうじょうじ
)
であるから、いわゆる
宦官
(
かんがん
)
であり、宦官なるが故に、当然、子はなかった。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
男に
扮
(
ふん
)
する女は怪物にすぎない——それになしてしまうとは? ハムレットを、
宦官
(
かんがん
)
になし、もしくは
曖昧
(
あいまい
)
な両性人物になすとは! そういう
嫌悪
(
けんお
)
すべきばかばかしさが
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
況
(
いわ
)
んや又鄭和は
宦官
(
かんがん
)
にして、
胡濙
(
こえい
)
と
偕
(
とも
)
にせるの
朱祥
(
しゅしょう
)
も
内侍
(
ないし
)
たるをや。秘意察す可きあるなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
そうして妾を見送って来た二人の
宦官
(
かんがん
)
と、
家
(
うち
)
の番をしていた掃除人を
還
(
かえ
)
してから、唯一人で家内の様子を隈なく調べてみますと、姉さんは死ぬ覚悟をして家を出られたらしく
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ある人借金に困って逐電し餓えて一城に入り、大勢町を行くに紛れ込んで王宮らしい家に到り進むと、大広間の上に小姓や
宦官
(
かんがん
)
に取り囲まれた貴人あり、起って諸客に会釈した。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
われわれの貞潔と美徳を保持するために
宦官
(
かんがん
)
を置くもよい、今日の狭小な保守的道徳の埒を越える者は、片っ端から銃殺するもよい——すべてこれ人間の
種
(
しゅ
)
の改良のためなんだから。
決闘
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
……紫の間と呼ばれている部屋には、「ペンタビルギオン」という、上に塔の五つ並んでいる風変りの戸棚の中に、皇帝の衣裳が
蔵
(
しま
)
ってあったが、此の部屋から
宦官
(
かんがん
)
が皇帝の祭服を運んで来た。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
しかも、それは
宦官
(
かんがん
)
のシット心である。キンヌキ馬のシット心である。「じゃ、代るから、てめえ、やってみろ」と言われても、やれはしない。それだけに、いつまでも果てしなく永続きがする。
恐怖の季節
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
それを自覚してからは、
大丈夫
(
だいじょうふ
)
たるべきものが、こんな
宦官
(
かんがん
)
のするような態度をしてはならないと反省することもあったが、好い子から美少年に進化した今日も、この媚が全くは無くならずにいる。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
男を女のように一変して、
宦官
(
かんがん
)
といって宮廷などへ入れる。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
宦官
(
かんがん
)
が二人話しながら出て来る。
青年と死
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「何太后に召されたと聞いたので、案じていたところです。何か、
宦官
(
かんがん
)
の問題で、ご内談があったのでしょう」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其
(
そ
)
の
宣宗
(
せんそう
)
に
紹
(
つ
)
ぎたまいたる天子の、建文帝に対して
如何
(
いかん
)
の感をや
為
(
な
)
したまえる。御史の密奏を
聞召
(
きこしめ
)
して、
即
(
すなわ
)
ち
宦官
(
かんがん
)
の建文帝に親しく
事
(
つか
)
えたる者を召して実否を探らしめたもう。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その顔つきは、
奴隷市
(
どれいいち
)
で山出し女どもの中にひとりのヴィーナスを見いだした
宦官
(
かんがん
)
の長のようでもあり、三文絵の中にラファエロの一枚を掘り出した美術愛好者のようでもあった。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし繊細な貧血的な身体をし宝石を飾りたててるこのビザンチンの皇后は、軽薄才子、美学者、批評家、などという多くの
宦官
(
かんがん
)
にとり巻かれていた。ただ国民が音楽に通じていなかった。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「董太后のお生命をちぢめた者は何進なりと、また、例の
宦官
(
かんがん
)
どもが、しきりと流言を放っているのを」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
創業の元勲として太祖の
愛重
(
あいちょう
)
するところとなれるのみならず、
西安
(
せいあん
)
に水道を設けては人を利し、
応天
(
おうてん
)
に田租を減じては民を
恵
(
めぐ
)
み、
誅戮
(
ちゅうりく
)
を
少
(
すくな
)
くすることを勧め、
宦官
(
かんがん
)
を
盛
(
さか
)
んにすることを
諫
(
いさ
)
め
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
修道女は宮女であり、牧師は
宦官
(
かんがん
)
であった。信仰熱き女らは、夢のうちに選まれてキリストを所有している。夜になると、その裸体の美しい青年は十字架からおりてきて、分房の歓喜の的となった。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
民間の者は、彼らを
宦官
(
かんがん
)
と称した。君側の権をにぎり
後宮
(
こうきゅう
)
にも勢力があった。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真宗崩じて後、其
后
(
きさき
)
の
悪
(
にくし
)
みを受け、
擅
(
ほしいまま
)
に永定陵を改めたるによって罪を
被
(
こうむ
)
り、且つ
宦官
(
かんがん
)
雷允恭
(
らいいんきょう
)
と交通したるを論ぜられ、崖州に
遠謫
(
えんたく
)
せられ、数年にして道州に
徙
(
うつ
)
され、致仕して光州に居りて
卒
(
しゅつ
)
した。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
宦官
(
かんがん
)
的な側用人、無能で
佞智
(
ねいち
)
ばかりもつ
賄賂
(
わいろ
)
好きな役人、それにつながる御用商人やら、腐れ儒者やら、大奥と表を通う穴道の
雑人
(
ぞうにん
)
やら、どしどし罷免したり、入れ
更
(
か
)
えたりしたが、それらの前代
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“宦官”の解説
宦官(かんがん)とは、去勢を施した、特に完全去勢を施された官吏をいう。古代から各文化圏に存在した。特に男性ホルモンは短命に繋がりやすく特に中国の宦官については有名で完全去勢された宦官は長寿になる傾向があった。
(出典:Wikipedia)
宦
漢検1級
部首:⼧
9画
官
常用漢字
小4
部首:⼧
8画
“宦官”で始まる語句
宦官的
宦官的内訌