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奇抜
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きばつ
ふりがな文庫
“
奇抜
(
きばつ
)” の例文
旧字:
奇拔
「それも確かにあったろうね。兎に角
奇抜
(
きばつ
)
だったよ。茶碗の向う側から飲まなけりゃ承知しないという無法ものだったからね」
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
むろんあれも、きみを部屋の中へおびきよせるための
奇抜
(
きばつ
)
な手だてだったのさ。きみは
義侠心
(
ぎきょうしん
)
にとんだ子どもじゃからね。
妖怪博士
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
最新の科学技術を利用して、
奇抜
(
きばつ
)
な計画を進めていった。それはどんなものであったか、章をあらためてお目にかけよう。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
男や
妓
(
おんな
)
や、一座の者は、その客の
奇抜
(
きばつ
)
な
恰好
(
かっこう
)
を見ると、ひっくり反って笑った。手をたたき、腹をかかえて、いつ迄も、笑いやまないのである。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「しかも曲っていらあ」「少し
猫背
(
ねこぜ
)
だね。猫背の鼻は、ちと
奇抜
(
きばつ
)
過ぎる」と面白そうに笑う。「
夫
(
おっと
)
を
剋
(
こく
)
する顔だ」と主人はなお
口惜
(
くや
)
しそうである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
(仁王門に住むとは今から考えたら随分
奇抜
(
きばつ
)
です。またそれを見ても当時浅草寺の秩序がなかったのが
判
(
わか
)
ります。)
寺内の奇人団
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
如何
(
いか
)
に
奇抜
(
きばつ
)
がつた所が、せめて
此処
(
ここ
)
までは
漕
(
こ
)
ぎつけてゐないと、どうも僕等
素人
(
しろうと
)
には、ちと新しい日本画としてのレエゾン・デエトルが
覚束
(
おぼつか
)
ないかと思ふ。
西洋画のやうな日本画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「イヤ、これはどうも恐れいった。お奉行様が小倉の袴の股立ちをとって、六尺棒を
斜
(
しゃ
)
にかまえて、夜風に吹かれて立ってるかッてンだ。相当
奇抜
(
きばつ
)
な娘だナ、こいつは」
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
察するにあの
活溌
(
かっぱつ
)
な飛乗りの運動に
合体
(
がったい
)
したのが後の進化であって、最初はまず唱えごとの耳新しさが、小さな人たちの興味を誘うたので、それがまた
奇抜
(
きばつ
)
な文章言葉の
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
奇抜
(
きばつ
)
な案でなければいけないだろう、などという考えにとらわれないで、実際君らが、君ら自身の生活に必要だと思っていることを、正直に
提案
(
ていあん
)
してもらいたいと、私は思っている。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
『これは
奇抜
(
きばつ
)
だ。』と
院長
(
いんちょう
)
は
満足
(
まんぞく
)
の
余
(
あま
)
り
微笑
(
びしょう
)
しながら、
両手
(
りょうて
)
を
擦
(
こす
)
り
擦
(
こす
)
り
云
(
い
)
う。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
中島はちょっと見るとそうぞうしい男だが、
弁護士
(
べんごし
)
より
裁判官
(
さいばんかん
)
がいい、新聞記者よりは学校の教員のほうが安全だというぐらいだから、その気風も知れてる。したがって議論も
奇抜
(
きばつ
)
ではない。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
嶄新
(
ざんしん
)
奇抜
(
きばつ
)
な方法を発見したいためなんです。
ノンシャラン道中記:07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
さてここで、さきにかかげた博士の日記ふうの随筆にもどるが、その内容は、さほど
奇抜
(
きばつ
)
すぎるというものではない。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
南洋の蛸狩はいかな敬太郎にもちと
奇抜
(
きばつ
)
過ぎるので、
真面目
(
まじめ
)
に思い立つ勇気も出なかったが、
新嘉坡
(
シンガポール
)
の
護謨林
(
ゴムりん
)
栽培などは学生のうちすでに
目論
(
もくろ
)
んで見た事がある。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
フオツシユ将軍が信者になる。——と云ふやうな次第だから、小説の方へも超自然の出来事が盛にはひつて来たのは当然です。この種の小説を読んで見ると、中々
奇抜
(
きばつ
)
な怪談がある。
近頃の幽霊
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
あの声あの飛び方の
奇抜
(
きばつ
)
なるは別として、その羽毛の彩色に至っては、確かに
等倫
(
とうりん
)
を絶している。これは疑う所もなく熱帯樹林の天然から、小さき一断片の
飛散
(
とびち
)
ってここにあるものである。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
『喧嘩渡世』——という、
奇抜
(
きばつ
)
な看板をあげた千本
格子
(
こうし
)
の家。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
奇抜
(
きばつ
)
だね。しかし、すこぶる野蛮だよ。」
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
更に
奇抜
(
きばつ
)
な一案を提出した。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
名主一名お玄関様という
奇抜
(
きばつ
)
な尊称を父親はちょうだいしてさかんにいばっていたんだろう。
僕の昔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
なんという
奇抜
(
きばつ
)
な計画であろう、またなんというおそろしいことであろう。もしもそんなことができたなら、人間の立場はあやうくなる。蜂矢の背すじにつめたい
戦慄
(
せんりつ
)
が走った。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あやしい影は、隆夫が目を白黒するのもかまわず、
奇抜
(
きばつ
)
な相談をぶっつけた。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さあそこで
奇抜
(
きばつ
)
な問題を出すぞ。この答案がうまく出来れば試験パスじゃ。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは博士の作るものが、あまり
奇抜
(
きばつ
)
すぎたためであった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
奇抜
(
きばつ
)
な推理
宇宙戦隊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“奇抜”の意味
《名詞》
奇抜(きばつ)
想像もできないほど風変わりであること。およびその様子。
(古)他に比べて一段と優れていること。およびその様子。
(出典:Wiktionary)
奇
常用漢字
中学
部首:⼤
8画
抜
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“奇”で始まる語句
奇
奇麗
奇蹟
奇怪
奇妙
奇異
奇特
奇矯
奇瑞
奇態