大釜おほがま)” の例文
ころがきのやうなかみつたしもげた女中ぢよちうが、雜炊ざふすゐでもするのでせう——土間どま大釜おほがましたいてました。番頭ばんとう帳場ちやうばあをかほをしてました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
永富町ながとみちやうと申候處の銅物屋かなものや大釜おほがまの中にて、七人やけ死申候、(原註、親父おやぢ一人、息子むすこ一人、十五歳に成候見せの者一人、丁穉でつち三人、抱へのとびの者一人)
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
卯平うへいおくれてはしつたが、めしあたゝかいといふまで大釜おほがまいたやうほどよいやはらかさをたもつてはないし、しるしたひどくこそつぱくかつ不味まづかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
天上てんじやうか、奈落ならくか、山懷やまふところ大釜おほがまのまゝに、すごいほど色白いろじろをんな行水ぎやうずゐする姿すがたた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しなは二三けんそつちこつちとあるいててからとなりもんくゞつたのであつた。傭人やとひにん大釜おほがましたにぽつぽといてあたつてる。風呂ふろからても彼等かれらゆだつたやうなあかもゝしてそばつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しらんで、もう大釜おほがま接待せつたいをしてところがある。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)