壯年さうねん)” の例文
新字:壮年
現時げんじひとよりうらやまるゝほど健康けんかうたもれども、壯年さうねんころまでは體質たいしついたつてよわく、頭痛づつうなやまされ、み、しば/\風邪ふうじやをかされ、えずやまひためくるしめり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
しかしそれは分別ふんべつある壯年さうねんあひだにのみ解釋かいしやく記憶きおくされた。事件じけん内容ないよう勘次かんじのおつぎにたいする行爲かうゐ猜忌さいぎ嫉妬しつととのもつ臆測おくそくたくましくするやうに興味きようみ彼等かれらあたへなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
こゝ備前國びぜんのくに岡山御城主高三十一萬五千二百石松平伊豫守殿いよのかみどの藩中はんちう松田喜内まつだきないと云ふ者あり代々岡山に住居ぢうきよせしが當時の喜内は壯年さうねんなるに兩親をうしなひ未だ妻をもめとらず獨の妹お花と云るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれ學生時代がくせいじだい壯年さうねんごろでも、生得せいとくあま壯健さうけん身體からだではかつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
見れば上段のみすの前にかしら半白はんぱくにして有てたけからぬ一人のさふら堂々だう/\として控へたり是ぞ山内伊賀亮いがのすけなり次は未壯年さうねんにして骨柄こつがらいやしからぬ形相ぎやうさうの侍ひ二人是ぞ赤川大膳だいぜんと藤井左京さきやうにて何れも大家の家老職と云ともはづかしからざる人品じんぴんにて威儀ゐぎ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)