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唯々
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たゞ/\
ふりがな文庫
“
唯々
(
たゞ/\
)” の例文
小池
(
こいけ
)
は窓の外ばかり眺めて、インヂンから飛び散る石油の
油煙
(
ゆえん
)
にも氣がつかぬらしく、
唯々
(
たゞ/\
)
乘り合ひの人々に顏を見られまいとしてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
不器用
(
ぶきよう
)
なればお
返事
(
へんじ
)
のしやうも
分
(
わか
)
らず、
唯々
(
たゞ/\
)
こ〻ろぼそく
成
(
な
)
りますとて
身
(
み
)
をちゞめて
引退
(
ひきしりぞ
)
くに、
桂次
(
けいじ
)
拍子
(
ひようし
)
ぬけのしていよ/\
頭
(
あたま
)
の
重
(
おも
)
たくなりぬ。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
伯父晋齋の目を
掠
(
かす
)
め危うい逢瀬に密会を遂げ、懐妊までした男は
真実
(
まこと
)
の伊之助でなく、見るも怖しき狸でありましたから、身の
淫奔
(
いたずら
)
を悔いて
唯々
(
たゞ/\
)
歎
(
なげ
)
きに月日を送り
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
唯々
(
たゞ/\
)
、お
察
(
さつ
)
し
申上
(
まをしあ
)
げます。」
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夫
(
そ
)
れは
孰
(
いづ
)
れも
取止
(
とりと
)
めの
無
(
な
)
き
取
(
とり
)
こし
苦勞
(
くろう
)
で
御座
(
ござ
)
りませうけれど、
何
(
ど
)
うでも
此樣
(
このやう
)
な
氣
(
き
)
のするを
何
(
なに
)
としたら
宜
(
よ
)
う
御座
(
ござ
)
りますか、
唯々
(
たゞ/\
)
心
(
こゝろ
)
ぼそう
御座
(
ござ
)
りますとて
打
(
うち
)
なくに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
唯々
(
たゞ/\
)
これまでの無礼の段は幾重にもお
詫
(
わび
)
を致しまする、
御高免
(
ごこうめん
)
下さるよう
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一日
(
いちにち
)
床
(
とこ
)
を
敷
(
し
)
いて
臥
(
ふせ
)
つて
居
(
ゐ
)
た
事
(
こと
)
も
一度
(
いちど
)
や
二度
(
にど
)
では
御座
(
ござ
)
りませぬ、
私
(
わたし
)
は
泣虫
(
なきむし
)
で
御座
(
ござ
)
いますから、その
強情
(
がうじやう
)
の
割合
(
わりあひ
)
に
腑甲斐
(
ふがひ
)
ないほど
掻卷
(
かいまき
)
の
襟
(
えり
)
に
喰
(
くひ
)
ついて
泣
(
な
)
きました、
唯々
(
たゞ/\
)
口惜
(
くや
)
し
涙
(
なみだ
)
なので
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何故
(
なぜ
)
寐
(
ね
)
ぬか、
何
(
なに
)
を
考
(
かんが
)
へて
居
(
い
)
るぞと
尋
(
たづ
)
ね
給
(
たま
)
ふに、
奧
(
おく
)
さま
何
(
なに
)
とお
返事
(
へんじ
)
の
聞
(
き
)
かせ
參
(
まゐ
)
らする
事
(
こと
)
もあらねど、
唯々
(
たゞ/\
)
不思議
(
ふしぎ
)
な
心地
(
こゝち
)
が
致
(
いた
)
しまする、
何
(
ど
)
う
致
(
いた
)
したので
御座
(
ござ
)
りませう、
私
(
わたくし
)
にも
分
(
わか
)
りませぬと
言
(
い
)
へば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唯
常用漢字
中学
部首:⼝
11画
々
3画
“唯々”で始まる語句
唯々諾々
唯々諾
唯々否々
唯々黙々