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半町
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はんちょう
ふりがな文庫
“
半町
(
はんちょう
)” の例文
半町
(
はんちょう
)
ばかり往くと桐島の
邸
(
やしき
)
が来た。
花崗岩
(
みかげいし
)
を立てた大きな門の上には電燈が光っていた。その電燈の上に
裸樹
(
はだかぎ
)
の桜の枝が
微
(
かすか
)
に動いていた。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
さし渡し
半町
(
はんちょう
)
程のべら棒な巨大
文字
(
もんじ
)
。その余りの大きさに、我が靴跡で描きながら、少しもそれと気づかなかったのだ。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
馬車は
半町
(
はんちょう
)
もいかないうちにぴたととまってしまった。松次郎は
慌
(
あわ
)
てて跳びおりた。ほっぽこ
頭巾
(
ずきん
)
から
眼
(
め
)
だけ出した馭者の爺さんが
鞭
(
むち
)
を持って下りて来た。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
不思議なのは、それが
昨夜
(
ゆうべ
)
私が立っていたところと、ものの
半町
(
はんちょう
)
と
隔
(
へだ
)
っていない所なので、これを見た時には、私は実に一種物凄い
感
(
かんじ
)
を
催
(
もよお
)
したのであった。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
藪はしばらくの
間
(
あいだ
)
は竹ばかりです。が、
半町
(
はんちょう
)
ほど行った処に、やや開いた杉むらがある、——わたしの仕事を仕遂げるのには、これほど
都合
(
つごう
)
の
好
(
い
)
い場所はありません。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
ゆき別れた
足軽
(
あしがる
)
のすがたが
半町
(
はんちょう
)
ばかり遠ざかると、
生
(
い
)
ける色もなく、そこに取りのこされた竹童は
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
草原は一面に霧がかゝって、つい
半町
(
はんちょう
)
ほどさきさえも、見えない日が一週間ほどつゞいた。
雪のシベリア
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
頓
(
やが
)
て
嫁入
(
よめいり
)
行列は、
沈々
(
ちんちん
)
黙々
(
もくもく
)
として黒い人影は菜の花の中を、物の
半町
(
はんちょう
)
も進んだ
頃
(
ころお
)
い、今まで晴れていた四月の
紫空
(
むらさきぞら
)
が
俄
(
にわ
)
かに曇って、日が
明
(
あきら
)
かに射していながら絹糸の
如
(
よう
)
な細い雨が
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
走ってみたらと思ったので、私は
半町
(
はんちょう
)
ばかり一生懸命に走ってみた、蝶もさすがに追ってこられなかったものか、
最早
(
もう
)
何処
(
どこ
)
にも見えないので、やれ安心と、ほっと一息付きながら歩き出した途端
白い蝶
(新字新仮名)
/
岡田三郎助
(著)
白玉か何ぞと問いし
古
(
いにし
)
えも、かくやと
思知
(
おもいしら
)
れつつ、
嵐
(
あらし
)
のつてに
散花
(
ちるはな
)
の、袖に
懸
(
かか
)
るよりも軽やかに、
梅花
(
ばいか
)
の
匂
(
におい
)
なつかしく、
蹈足
(
ふむあし
)
もたどたどしく、心も空に
浮
(
うか
)
れつつ、
半町
(
はんちょう
)
ばかり歩みけるが、南無妙。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、その
後
(
あと
)
から
壮
(
わか
)
い男が血に染まった
白刃
(
しらは
)
を
揮
(
ふ
)
りながら追っかけて来た。謙蔵は恐れて
半町
(
はんちょう
)
ばかりも逃げ走って、やっと
背後
(
うしろ
)
を
揮
(
ふ
)
り向いた。
指環
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかし
半町
(
はんちょう
)
ほど逃げ延びると、わたしはある
軒下
(
のきした
)
に隠れながら、往来の前後を見廻しました。往来には夜目にも
白々
(
しろじろ
)
と、時々雪煙りが
揚
(
あが
)
るほかには、どこにも動いているものは見えません。
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と、そのなかから、
焔々
(
えんえん
)
と燃えつつながれだしてきたのは、
半町
(
はんちょう
)
もつづくまっ赤な
焔
(
ほのお
)
の行列。無数の
松明
(
たいまつ
)
。その影にうごめく、
野武士
(
のぶし
)
、馬、
槍
(
やり
)
、十
字
(
じ
)
架
(
か
)
、旗、すべて血のように
染
(
そ
)
まって見えた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
街路
(
とおり
)
は右の方へ
半町
(
はんちょう
)
ばかり往くと
三叉路
(
さんさろ
)
になって、左は暗いたらたらおりの
街路
(
とおり
)
になり、右は電車の停留場前になって、すこしの間ではあるが
人道
(
じんどう
)
と車道の区別をした広い
街路
(
とおり
)
には
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“半町”で始まる語句
半町歩
半町程
半町餘