侵入しんにふ)” の例文
二三尺にさんじやく今度こんどは——荒庭あらには飛石とびいしのやうに、つゝんだまゝのがごろ/\してる。奧座敷おくざしき侵入しんにふした。——これおもふと、いつもの天井てんじやう荒𢌞あれまはるのなどは、もののかずではない。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとつにはそれを世間せけん隱蔽いんぺいしようといふ念慮ねんりよかららぬ容子ようすよそほためひてもうごかしたのであつた。しかしながらころした黴菌ばいきんがどうして侵入しんにふしたであつたらうか。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
むかし支那しなにおいて塞外さくぐわい鮮卑族せんひぞくの一しゆなる拓拔氏たくばつし中國ちうごく侵入しんにふし、黄河流域こうかりうゐき全部ぜんぶ占領せんれうしてくにせうしたが、漢民族かんみんぞく文化ぶんくわ溺惑できわくして、みづか自國じこく風俗ふうぞく慣習くわんしふをあらため、胡語こごきん
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
漸次だん/\ひゞき消滅せうめつして、隙間すきまもとめて侵入しんにふするさむさのくははつた。何處どこかでこほつてたつちひゞくやうなにはとりこゑ疳走かんばしつてきこえるとよるのき隙間すきまからあかるくなつた。勘次かんじはおつぎをおこした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おつぎは大戸おほどはなしていたのであささむさが侵入しんにふしたのにがついて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)