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侵入
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しんにふ
二三尺、
今度は——
荒庭の
飛石のやうに、
包んだまゝの
荷がごろ/\して
居る。
奧座敷へ
侵入した。——
此を
思ふと、いつもの
天井を
荒𢌞るのなどは、ものの
數ではない。
一つにはそれを
世間に
隱蔽しようといふ
念慮から
知らぬ
容子を
粧ふ
爲に
強ひても
其の
身を
動かしたのであつた。
然しながら
其の
身を
殺した
黴菌がどうして
侵入したであつたらうか。
漸次に
其の
響を
消滅して、
隙間を
求めて
侵入する
寒さの
度が
加はつた。
何處かで
凍てた
土へ
響くやうな
雞の
聲が
疳走つて
聞えると
夜は
檐の
隙間から
明るくなつた。
勘次はおつぎを
起した。
おつぎは
大戸を
開け
放して
置いたので
朝の
寒さが
侵入したのに
氣がついて