すむ)” の例文
わがすむ魚沼郡うをぬまこほりの内にて雪頽なだれため非命ひめいをなしたる事、其村の人のはなしをこゝにしるす。しかれども人の不祥ふしやうなれば人名じんめいつまびらかにせず。
かうぶるは笑止せうし千萬但證據有やと尋ぬるに然れば福井町にすむ權三助十と云ふ駕籠舁かごかき二人證人なりと申せば八右衞門くび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この池の深さいくばくともはかられぬ心地になりて、月はそのそこの底のいと深くにすむらん物のやうに思はれぬ。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ここすむ近在きんざい后谷村ごやむらといふあり。此村の弥左ヱ門といふ農夫のうふおいたる双親ふたおや年頃としごろのねがひにまかせ、秋のはじめ信州善光寺へ参詣さんけいさせけり。
かくし申すべき私しは此谷町にすむ喜八とてかすかくらす者なるが昨日主人の若旦那を私し方へあづかり候處夫婦のたる三布蒲團みのぶとん一ツのほかはなく金の才覺さいかくなほ出來ず是非なく妻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ここすむ近在きんざい后谷村ごやむらといふあり。此村の弥左ヱ門といふ農夫のうふおいたる双親ふたおや年頃としごろのねがひにまかせ、秋のはじめ信州善光寺へ参詣さんけいさせけり。
見合せ居たりしがマアたれならんと申すに傳吉されば私しとなりすむ彌太八と云ふ者のよし申し僞り金子をかたり取りたるはと云ひながら昌次郎のかほを見ればぎよつとせしが素知そしらぬ體にかほ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
人のすむあたりの雪は自然しぜんにきゆるをまたずして家毎いへごとに雪を取捨とりすつるに、あるひは雪を籠にいれてすつるもあり、あるひはのこぎりにて雪を挽割ひきわりてすてもし
近来ちかごろの事なりき、我がすむ塩沢しほざはより十町あまり西南にあたりて田中村といふあり、此村に右の寒行かんぎやうをするものありけり。
○天保三年辰四月、我がすむ塩沢の中町なかまちに鍵屋某が家のほとりに喬木たかききあり。此からすをむすび、ひな梢々やゝかしらをいだすころ、巣のうちに白きかしらの鳥を見る。