仕立屋したてや)” の例文
こうしているうちに、とうとう、仕立屋したてやさんのかんしゃくだまが爆発ばくはつしました。仕立屋さんは仕立台したてだいあなからぬのきれをつかみだして
いへ小路せうぢ引込ひつこんで、とほりのかどに「蒲燒かばやき」といた行燈あんどうばかりあり。はややつがむやみと飛込とびこむと仕立屋したてやなりしぞ不思議ふしぎなる。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
町に出てきて反物たんものを買いもとめたり、または仕立屋したてやってもらうなどということは、こういう昔話に笑い興じた娘たちの、夢にも予想し得ないことであった。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かれは千八百六十三ねんペテルブルグでまれた。ちちはポルタワけん出身しゅっしん仕立屋したてやで、はは農婦のうふあがりだった。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
だから、わたしがいく先ざきの町では、大恐慌だいきょうこうをおこしていました。教授きょうじゅたちは、わたしを教授にしてくれましたし、仕立屋したてやはわたしに新しい着物をくれました。
お引立てをこうむる、御愛顧を願う、という文句は米屋か仕立屋したてやの広告文では最早もはやないのである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
仕立屋したてや芋屋駄菓子屋だがしや挑灯屋ちょうちんやなぞ昔ながらの職業なりわいにその日の暮しを立てているうちばかりである。
たとえばころもを着るにも、縞柄しまがらからい方からようにいたるまで一々明白はっきりした意思を表示し、かつこれをつらぬかんとすれば、たいていの仕立屋したてやまたは細君さいくんは必ず手に余すであろう。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
仕立屋したてやさんだつたでせう、多分。」
そこで、ごちそうがはじまりました。それこそ、仕立屋したてやさんがじぶんのうちではまだいちども食べたことのないようなごちそうです。
なになにをしたつて身體からださへはたらかせりや、彼女あれはせて、ちゝはのまされます。」と、仕立屋したてやさんは、いそ/\とかへつていつた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
または仕立屋したてやなどのように家で仕事をする者が、多くなってから後のことである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まずくつやと仕立屋したてやが、それから町じゅうの人が、下の往来おうらいに出てきました。それから、いすとテーブルがもち出されて、ろうそくが、それは千本という数ものろうそくがともされます。
むかしむかし、ひとりの仕立屋したてやさんがおりました。仕立屋さんは三人のむすこと、それから、ただ一ぴきのヤギをもっていました。
年よりの仕立屋したてやさんは、そのことばをほんとうに信用しんようしようとはしませんでしたが、それでもとにかく、親類の人たちをあつめました。
神さまは、天国の人びとをおともにつれてかえっていらっしゃいましたが、門のうしろにいる仕立屋したてやさんにはお気づきになりませんでした。
王さまも、この忠告ちゅうこくをきいて、もっともなことだと思いましたので、仕立屋したてやさんのところへおつきのものをひとりやりました。
仕立屋したてやさんはそこにじっと立って、このいすをかなり長いことながめていました。だって、このいすがほかのどれよりも気にいったからです。
それから、仕立屋したてやさんは森のなかにとびこんで、右や左を見まわしました。しばらくたったとき、ふたりの大男のすがたが目にとまりました。
じつは、ふたりとも町の門のまえの仕立屋したてや宿やどにいたんだけど、ビールをのんでいて、おそくなっちまったんだよ。
せいペテロさまは、仕立屋したてやさんをもとのように、天国の門のそとにつれていかなければなりませんでした。
仕立屋したてやさんは、なさけぶかい人でしたから、さっそくはりと糸とをとりだして、豆のからだをぬいあわせてやりました。豆は仕立屋さんに、あつくあつくおれいをいいました。
子ヤギたちはおかあさんのむねにだきついて、まるで、およめさんをもらうときの仕立屋したてやさんみたいに、うれしがって、ピョンピョンはねまわりました。でも、おかあさんは
ですから、もしもこのとき、たびまわりをしている仕立屋したてやさんが、うんよく、この流れの岸べでやすんでいなかったなら、まめもほかのふたりとおなじように、んでしまうところでした。