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ひとめ
ふりがな文庫
“
一眼
(
ひとめ
)” の例文
エリセーフ氏が外国人であることは、
一眼
(
ひとめ
)
に分ることである。現代の日本人ならば、「あなたは日本字が読めるのですか」ときくだろう。
日本のこころ
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
仁右衛門は場主の
一眼
(
ひとめ
)
でどやし付けられて這入る事も得せずに
逡
(
しりご
)
みしていると、場主の眼がまた床の間からこっちに帰って来そうになった。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかし毎日毎日ボールを人の邸内に
抛
(
ほう
)
り込む者の眼に映ずる空間はたしかにこの排列に
慣
(
な
)
れている。
一眼
(
ひとめ
)
見ればすぐ分る訳だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……その前にタッタ
一眼
(
ひとめ
)
先生のお顔を見て死にとう御座います。先生のお顔を記憶して地獄へ墜ちて行きとう御座います。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
が、
一眼
(
ひとめ
)
私の足もとの靴を見るが早いか、彼女は「またか!」というように悲しそうな声を揚げて顔を覆った。
踊る地平線:02 テムズに聴く
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
▼ もっと見る
私は、何気なく上ろうとして、
一眼
(
ひとめ
)
で見渡せるこの家の中の、余りの乱雑さに、思わず足が止ってしまった。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
兄
(
あに
)
さん
能
(
よ
)
く入らしって下さいました、お目に掛られた義理ではありませんが、
何卒
(
どうか
)
もう私も長い事はございますまいから、
一眼
(
ひとめ
)
お目に掛って死にたいと存じましても
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蛇
(
くちなは
)
も
閃
(
きらめ
)
きぬ、
蜥蜴
(
とかげ
)
も見えぬ、其他の
湿虫
(
しつちう
)
群
(
ぐん
)
をなして、
縦横
(
じうわう
)
交馳
(
かうち
)
し奔走せる
状
(
さま
)
、
一眼
(
ひとめ
)
見るだに胸悪きに、手足を
縛
(
ばく
)
され衣服を
剥
(
は
)
がれ若き
婦人
(
をんな
)
の
肥肉
(
ふとりじし
)
を
酒塩
(
さかしほ
)
に味付けられて
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
いや、それより秋蘭だ。ああ、あの秋蘭め、俺をここからひき
摺
(
ず
)
り上げてくれ。俺はお前にもう
一眼
(
ひとめ
)
逢わねばならぬ。俺はお前のいったマジソン会社へこれから行こう。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
彼は
一眼
(
ひとめ
)
見てそれは夕方に見えていた四つ手網を仕掛けている小屋の燈だと思った。
水郷異聞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかし不思議なことには、そういう分析などはしないで、
唯
(
ただ
)
の眼で見れば、その型式が
一眼
(
ひとめ
)
で分ってしまう。何か差異があるからにちがいない。
茶碗の曲線:――茶道精進の或る友人に――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
小六
(
ころく
)
も
無論
(
むろん
)
叔父
(
をぢ
)
夫婦
(
ふうふ
)
と
共
(
とも
)
に
二人
(
ふたり
)
を
迎
(
むか
)
ひに
來
(
き
)
てゐた。
宗助
(
そうすけ
)
は
一眼
(
ひとめ
)
其姿
(
そのすがた
)
を
見
(
み
)
たとき、
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
自分
(
じぶん
)
を
凌
(
しの
)
ぐ
樣
(
やう
)
に
大
(
おほ
)
きくなつた
弟
(
おとうと
)
の
發育
(
はついく
)
に
驚
(
おど
)
ろかされた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
微塵
(
みじん
)
でも正義に
背
(
そむ
)
く奴は容赦なくタタキ斬り蹴飛ばして行く人という感じに、
一眼
(
ひとめ
)
で打たれてしまうのであった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
朝山を登る時
路傍
(
みちばた
)
の赤い実のついた
茨
(
いばら
)
の中から、猿とも
嬰児
(
あかんぼ
)
ともつかない怪しいものが、ちょろちょろと出て来て、
一眼
(
ひとめ
)
じろりと丹治の顔を見た
後
(
あと
)
で、また傍の草の中へ入ってしまった。
怪人の眼
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一眼
(
ひとめ
)
で日本人と
白眼
(
にら
)
んだためにそのままに済んだ。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
私は
一眼
(
ひとめ
)
で見渡せる家の中を、もう一遍見直した。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
ただ
一眼
(
ひとめ
)
見たが最後! 見た人は彼女の魔力から
金輪際
(
こんりんざい
)
、
免
(
のが
)
るる事は出来ない。あの色はただの赤ではない。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
只
一眼
(
ひとめ
)
なりともお目もじが
叶
(
かな
)
いまして、このようなお手紙を差し上げられるような身の上になりました事を思いますと、このままにこの秘密を胸に秘めてあの世に旅出ちますよりも
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
順作は
一眼
(
ひとめ
)
見て気絶してしまった。
藍瓶
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“一眼”の意味
《名詞》
一眼(いちがん)
目の一つ。片方の目。
隻眼。独眼。
ひとめ見ること。
カメラのレンズが一つであること。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“一眼”で始まる語句
一眼鏡