“ゆえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユエン
語句割合
所以92.6%
油煙3.3%
由縁2.2%
油烟0.8%
故以0.5%
以所0.3%
所因0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
結局、冗費と思えるものの一切を省いてがまんすることが、所謂いわゆる国策に沿う所以ゆえんでもあり、それ以外に考えつかない良策でもあろう。
油煙ゆえんがぼうつとあがるカンテラのひかりがさういふすべてをすゞしくせてる。ことつた西瓜すゐくわあかきれちひさなみせだい一のかざりである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
下等士族のはいが上士に対して不平をいだ由縁ゆえんは、もっぱら門閥虚威きょいの一事にありて、しかもその門閥家の内にて有力者と称する人物にむかって敵対の意をいだくことなれども
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たたみは色が変ってお負けに砂でざらざらしている。かべすす真黒まっくろだ。天井てんじょうはランプの油烟ゆえんくすぼってるのみか、低くって、思わず首を縮めるくらいだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼岸花、天蓋花てんがいばな死人花しびとばな、幽霊花、狐花などという、あまり好ましくない和名が民間に行われている故以ゆえんであろう。その中で穏かなのは彼岸花というのだけである。それとても抹香臭まっこうくさい。
それがすなはけむりばれる以所ゆえんである。かういふふうに噴出ふんしゆつはげしいとき電氣でんき火花ひばなあらはれる。性空上人しようくうしようにん霧島火山きりしまかざん神體しんたいみとめたものは以上いじよう現象げんしよう相違そういなからう。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
余が不敏を顧みずここに二、三の問題を提起して批判を仰ぐ所因ゆえんもまたこれに外ならず。ただいたずらに冗漫の辞を羅列して問題の要旨に触るるを得ざるは深く自らずる所なり。
自然現象の予報 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)