“ひとつか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一掴43.6%
一束23.1%
一攫12.8%
一握12.8%
一捉2.6%
一撮2.6%
一蚊2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遊行上人はこういって、座右ざうの箱に入れてあった名号の小札を一掴ひとつか無造作むぞうさに取っておしいただくと、肩衣袴かたぎぬばかまを附けた世話人が
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
鳥類の捕獲には一端に石或は角の小片をむすけたるひもの、長さ二三尺位のもの數本を作り之を他の端に於て一束ひとつかねにくくりたるものを用ゐし事も有りしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
今かの森の中にて、黄金こがね……黄金色なる鳥を見しかば。一矢に射止めんとしたりしに、あに計らんやかれおおいなるわしにて、われを見るより一攫ひとつかみに、攫みかからんと走り来ぬ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その上へたっぷり一握ひとつかみある濃い褐色のお下げが重げに垂れている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
勘次かんじ麥藁むぎわら一捉ひとつか軒端のきばげて、つた青草あをぐさをそれへけて、燐寸マツチけてさうしておさへつけた。ぷす/\といぶけぶりとほ散亂さんらんせしめる。ぽつとほのほつてえあがればみづつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
焼香の時、重子がこうをつまんで香炉こうろうちくべるのを間違えて、灰を一撮ひとつかみ取って、抹香まっこうの中へ打ち込んだ折には、おかしくなって吹き出したくらいである。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あへて恋しとにはあらねど、苦しげにやつれたる宮が面影おもかげの幻は、かしらめぐれる一蚊ひとつかの声の去らざらんやうに襲ひ来て、彼が切なる哀訴も従ひて憶出おもひいでらるれば、なほ往きかねて那辺そこらに忍ばずやと
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)