“いっそく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一足40.6%
逸足31.3%
一束18.8%
一百3.1%
一則3.1%
百両3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこにはがいとうと、つえと、かさと、くつの上にはうわおいぐつが一足いっそく置いてありました。みるとふたりの婦人がつくえのまえにすわっていました。
政子の印象もよかったし、駒を馴らしてみると、案外な逸足いっそくなので、頼朝は厩の物音を聞くと夜半よなかでも、紙燭ししょくをかかげて
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はこの言葉で狼狽あわてながらも、懐中から先刻貰ったプログラムと真新らしいハンカチとを一束いっそくたにつかみ出した。
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)
この間おいでになりました時などは、お二人で鷭が、一百いっそく二三十も取れましてね、猟袋に一杯、七つも持ってお帰りになりましたんですよ。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
生命いのちの親とも思う恩人です。その大恩のある鷭の一類が、夫も妻も娘もせがれも、貸座敷の亭主と幇間の鉄砲をくらって、一時いっときに、一百いっそく二三十ずつ、袋へ七つも詰込まれるんでは遣切やりきれない。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くなられた洪川和尚こうせんおしょうなどは、もと儒教をやられて、中年からの修業でございましたが、僧になってから三年の間と云うものまるで一則いっそくも通らなかったです。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そうだろう。添役で百両いっそくなら、本役の当家は、やっぱり、五百という見当だ。そこを、扇箱一個ひとつなんて、間抜けめ! 吉良のやつ、今ごろかんかんだぞ。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)