トップ
>
逸足
>
いっそく
ふりがな文庫
“
逸足
(
いっそく
)” の例文
銭形平次——江戸開府以来と言われた捕物の名人——と、子分の
逸足
(
いっそく
)
、ガラッ八で通る八五郎が、鎌倉河岸でハタと顔を合せました。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
政子の印象もよかったし、駒を馴らしてみると、案外な
逸足
(
いっそく
)
なので、頼朝は厩の物音を聞くと
夜半
(
よなか
)
でも、
紙燭
(
ししょく
)
をかかげて
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
新生、馬生、龍生、小勝——みんな初代圓生門下の
逸足
(
いっそく
)
で、今は亡い得がたき
手練
(
てだれ
)
ばかりだった。
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
多分馬の
前脚
(
まえあし
)
をとってつけたものと思いますが、スペイン
速歩
(
そくほ
)
とか言う妙技を演じ得る
逸足
(
いっそく
)
ならば、前脚で物を蹴るくらいの変り芸もするか知れず、それとても
湯浅少佐
(
ゆあさしょうさ
)
あたりが乗るのでなければ
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
カサドは一八九七年(または一八九八年)、スペインのバルセロナに生れ、パブロ・カサルスに就いてチェロを学び、少年時代早くも門下の
逸足
(
いっそく
)
として世に知られた。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
▼ もっと見る
で——法然門下中の
逸足
(
いっそく
)
としてこんどの処刑のうちには、真っ先にその名が書き上げられてあった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼が自慢の
逸足
(
いっそく
)
も余りに烈しく打ち叩いて来たので、遂に乗り
潰
(
つぶ
)
してしまったのである。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かかる
場合
(
ばあい
)
は、千
里
(
り
)
をとぶ
逸足
(
いっそく
)
ももどかしく、一日の
陽脚
(
ひあし
)
もまたたくひまである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
馬は、
逸足
(
いっそく
)
の
赤兎馬
(
せきとば
)
。
騎
(
の
)
り
人
(
て
)
は、まぎれもない赤面長髯の人、関羽だった。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いくら天下の
早足
(
はやあし
)
とじまんをする
燕作
(
えんさく
)
でも、
騎手
(
のりて
)
は
巽小文治
(
たつみこぶんじ
)
、馬は
逸足
(
いっそく
)
の
御岳
(
みたけ
)
の
草薙
(
くさなぎ
)
、それを相手に足くらべをしたところで、もとよりおよぶわけはなく、勝とうというのが
押
(
お
)
しのつよい
量見
(
りょうけん
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さし上げれば、殿のお気には召しましょう。しかし臣下のそういう気持も無視して、ただ御自身の卯月より、
逸足
(
いっそく
)
と見て、すぐお望み遊ばすわがままな御気性がてまえには、口惜しゅうてなりません
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平家方は、大庭景親をはじめ、重なる者は騎馬だったが、石ころの多い谷あいでは、名馬の
逸足
(
いっそく
)
も、かえって
敏捷
(
びんしょう
)
な敵にその脚元を
薙
(
な
)
ぎられたり、
蹄
(
ひづめ
)
を
躓
(
つまず
)
かせないため活躍の自由を欠いたりするので
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
逸
常用漢字
中学
部首:⾡
11画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
“逸”で始まる語句
逸
逸早
逸物
逸話
逸見
逸品
逸散
逸楽
逸事
逸人