トップ
>
一攫
>
ひとつか
ふりがな文庫
“
一攫
(
ひとつか
)” の例文
又
(
また
)
そつと
戸
(
と
)
を
閉
(
た
)
てゝ
出
(
で
)
る
時
(
とき
)
頸筋
(
くびすぢ
)
の
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をこそつぱい
手
(
て
)
で
一攫
(
ひとつか
)
みにされるやうに
感
(
かん
)
じた。おつぎは
外
(
そと
)
の
壁際
(
かべぎは
)
の
草刈籠
(
くさかりかご
)
を
脊負
(
せお
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
今かの森の中にて、
黄金
(
こがね
)
……黄金色なる鳥を見しかば。一矢に射止めんとしたりしに、
豈
(
あに
)
計らんや
他
(
かれ
)
は
大
(
おおい
)
なる
鷲
(
わし
)
にて、われを見るより
一攫
(
ひとつか
)
みに、攫みかからんと走り来ぬ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
あるいは
溝
(
みぞ
)
へ湯を抜く
漆喰
(
しっくい
)
の穴より風呂場を
迂回
(
うかい
)
して勝手へ不意に飛び出すかも知れない。そうしたら釜の
蓋
(
ふた
)
の上に陣取って眼の下に来た時上から飛び下りて
一攫
(
ひとつか
)
みにする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしは思いめぐらすまでもなく、外套のポケットから銅貨を
一攫
(
ひとつか
)
み出して巡査に渡した。
些細な事件
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
長柄の太刀脇差を
三五縄
(
しめなわ
)
でぐるぐる巻にし、
茶筌
(
ちゃせん
)
にゆった髪は、乱れたままである上に
袴
(
はかま
)
もはかないと云う有様である。そして抹香を
一攫
(
ひとつか
)
みに攫んで投げ入れると一拝して帰って仕舞った。
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
「へえ、なに、わしが
一攫
(
ひとつか
)
み
引
(
ひ
)
つ
扱
(
こ
)
いて
來
(
き
)
て
見
(
み
)
たの
打棄
(
うつちや
)
つたんでがした」
勘次
(
かんじ
)
は
恁
(
か
)
ういつて
蒼
(
あを
)
く
成
(
な
)
つた。
巡査
(
じゆんさ
)
は
更
(
さら
)
に
被害者
(
ひがいしや
)
に
勘次
(
かんじ
)
の
畑
(
はたけ
)
を
案内
(
あんない
)
させた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
金眸は
打点頭
(
うちうなず
)
き、「憎き犬の
挙動
(
ふるまい
)
かな。よしよし今に
一攫
(
ひとつか
)
み、目に物見せてくれんずほどに、心安く思ふべし」ト、かつ慰めかつ怒り、やがて聴水を
前
(
さき
)
に立てて、
脛
(
すね
)
にあまる雪を踏み分けつつ
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
それで
其
(
そ
)
の
借
(
か
)
りた
手間
(
てま
)
を
返
(
かへ
)
すのがいひがへしである。
大豆
(
だいづ
)
は
庭
(
には
)
に
運
(
はこ
)
ぶと
共
(
とも
)
に
一攫
(
ひとつか
)
みにしては
根
(
ね
)
を
上
(
うへ
)
にして
先
(
さき
)
を
丸
(
まる
)
く
開
(
あ
)
いて
互
(
たがひ
)
の
幹
(
みき
)
が
支柱
(
しちう
)
に
成
(
な
)
るやうにして
庭
(
には
)
一
杯
(
ぱい
)
に
立
(
た
)
てゝ
干
(
ほ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
攫
漢検1級
部首:⼿
23画
“一攫”で始まる語句
一攫千金
一攫一抓