“にげかへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
逃皈28.6%
迯歸14.3%
逃帰14.3%
逃歸14.3%
逃還14.3%
遁帰14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
されば近来も越地に遊ぶ文人墨客ぶんじんぼくかくあまたあれど、秋のすゑにいたれば雪をおそれて故郷ふるさと逃皈にげかへるゆゑ、越雪の詩哥しいかもなく紀行きかうもなし。まれには他国の人越後に雪中するも文雅ぶんがなきは筆にのこす事なし。
おこしもたてず突殺す故馬士まご仰天ぎやうてんなしにげんと爲すを一人の旅人飛蒐とびかゝつて是をも切殺すに供の男は周章狼狽あわてふためきあとをも見ずして迯歸にげかへりける故やがて盜賊は荷繩になは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
逃亡かけおち致されよ我も辯解いひわけなければ是より宿へ歸るべし三十六けい走るにしかじ我が宿やど牛込うしごめ改代町かいたいまち芋屋いもや六兵衞と云者いふものなり用事有らば云越いひこし給へと兩人云合いひあはせ早々に支度したくして七助は牛込お梅は平兵衞方へ迯歸にげかへりしなりされば委細のわけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其日のうち逃帰にげかへらむかとすでに心を決せしが、さりとては余り本意ほい無し、今夜こよひ一夜ひとよ辛抱しんばうして、もし再び昨夜ゆうべの如く婦人のきたることもあらば度胸をゑての容貌とその姿態したいとを観察せむ
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
されば彼伊勢屋千太郎は養子の身なれば仲間一同へほどよくわけを爲し逃歸にげかへらんとなせども養父五兵衞が平生仲間交際つきあひさらになさずたぐひ無き吝嗇りんしよく者なれば養子千太郎を連行つれゆきて伊勢五の親爺おやぢに氣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
然し文に「妻子同共討取」とあるから、何様どうも妻子は殺されたらしく、逃還にげかへつたのは一緒にた妾であるらしい。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
われわすれてばら/\とあとへ遁帰にげかへつたが、けばれいのがるであらう、たところされるまでも二とはあれまたはせぬ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)