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にげかへ
語句 | 割合 |
逃皈 | 28.6% |
迯歸 | 14.3% |
逃帰 | 14.3% |
逃歸 | 14.3% |
逃還 | 14.3% |
遁帰 | 14.3% |
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されば近来も越地に遊ぶ
文人墨客あまたあれど、秋のすゑにいたれば雪をおそれて
故郷へ
逃皈るゆゑ、越雪の
詩哥もなく
紀行もなし。
稀には他国の人越後に雪中するも
文雅なきは筆にのこす事なし。
起しも
立ず突殺す故
馬士は
仰天なし
迯んと爲すを一人の旅人
飛蒐て是をも切殺すに供の男は
周章狼狽後をも見ずして
迯歸りける故
頓て盜賊は
荷繩を
逃亡致されよ我も
辯解なければ是より宿へ歸る
可三十六
計走るに
如じ我が
宿は
牛込改代町芋屋六兵衞と
云者なり用事有らば
云越給へと兩人
云合せ早々に
支度して七助は牛込お梅は平兵衞方へ
迯歸りしなり
然ば委細の
譯を
其日の
中に
逃帰らむかと
已に心を決せしが、さりとては余り
本意無し、
今夜一夜辛抱して、もし再び
昨夜の如く婦人の
来ることもあらば度胸を
据ゑて
其の容貌と
其姿態とを観察せむ
然ば彼伊勢屋千太郎は養子の身なれば仲間一同へ
程能申
譯を爲し
逃歸らんとなせども養父五兵衞が平生仲間
交際を
更になさず
類ひ無き
吝嗇者なれば養子千太郎を
連行て伊勢五の
親爺に氣を
然し文に「妻子同共討取」とあるから、
何様も妻子は殺されたらしく、
逃還つたのは一緒に
居た妾であるらしい。
我を
忘れてばら/\とあとへ
遁帰つたが、
気が
着けば
例のが
未だ
居るであらう、
譬ひ
殺されるまでも二
度とは
彼を
跨ぐ
気はせぬ。