“たんしん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タンシン
語句割合
単身36.4%
誕辰12.1%
短針9.1%
丹心9.1%
單身9.1%
貪心6.1%
丹唇6.1%
丹脣3.0%
短信3.0%
胆心3.0%
鍛身3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのときも一行中に犬吠いぬぼえという慾の深い男がいて、月の世界の黄金塊おうごんかいをギッシリ積むと、隊長と私とを残して置いて、単身たんしん飛びだしたんです。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一夕いつせき、松川の誕辰たんしんなりとて奥座敷に予を招き、杯盤はいばんを排し酒肴しゆかうすゝむ、献酬けんしう数回すくわい予は酒といふ大胆者だいたんものに、幾分の力を得て積日せきじつの屈託やゝ散じぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
短針たんしんをじくにはめれば、すむんじゃないか。さっきから見ていると、やらないでもいいことばかりやってるみたいだぞ」
ともに国を守るに足らざるものなれば、いやしくも国を思うの丹心たんしんあらんものは、内外の政治に注意せざるべからず。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
きぬには出逢であはなかつた。あたまへである。ぼくその翌日よくじつしさうなそらをもおそれず十國峠じつこくたうげへと單身たんしん宿やどた。宿やどものそうがゝりでめたがかない、ともれてけとすゝめても謝絶しやぜつ
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
貪心たんしんたちまち生じて善法をしゅするを妨ぐる——仏は仏慧菩薩ぶってぼさつのために四食しじきの時を説いて、朝の天食、午時の法食とし、そうして畜生のための午後食、鬼類のための夜食——とこうなっている。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
白皙秀眉はくせきしゅうび丹唇たんしんをむすんで、唯々いいとして何進の警固についてはいるが、どうもその輦の中にある上官よりも典軍の一将校たる彼のほうが、もっと底の深い、もっと肚も黒い
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頬麗きょうれい丹脣たんしんにしてのあるようす、どうみても、尋常人じんじょうじんでないことだけはたしかである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余が千歳村に引越した其夏、遊びに来た一学生をちと没義道もぎどうに追払ったら、学生は立腹してひとはがき五拾銭の通信料をもらわるゝ万朝報よろずちょうほう文界ぶんかい短信たんしんらん福富ふくとみ源次郎げんじろうは発狂したと投書した。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
平素から弄剣ろうけんに堕す気味のある左膳の胆心たんしんを、いささか寒からしめたとみえて、さすがの左膳、いまはすこしく受身の形で、ひたすら庭へとびおりて源十郎と勢いの合する機を狙うもののごとく
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
巌々がんがんたる岩と岩との間、水晶のれんを懸けたような女滝を浴びつつ、今しも痩せたる一人の行者は、一念一心に右手めての鈴を振りながら、禁慾鍛身たんしんの苦行三昧。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)