“きひん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気稟39.6%
気禀14.6%
貴賓14.6%
気品8.3%
稀品8.3%
奇品4.2%
氣品4.2%
妃嬪2.1%
姫嬪2.1%
貴嬪2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
是等これらはおなじく、神経の雋鋭しゆんえいになつたための一つの証候であるが、これは気稟きひんに本づく方嚮はうかうの違ひであるとつていいだらう。
結核症 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
こういいたげにやや厚手あつでの、それでいて醜くない立派な口、金持ちの証拠に耳たぶが厚く、詩人的気禀きひんがあるからであろう、額が広く光がある。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さわぐな。いよいよ今日は彼を貴賓きひんの間に入れることにしたから、こんどは大丈夫だ」
が、そんなことを眼中に置かないでも、鳳凰ほうわう羅漢らかんなんぞは、至極しごく結構な出来だと思ふ。あの位達者で、しかもあの位気品きひんのある所は、それこそ本式に敬服のほかはない。
俳画展覧会を観て (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そのなかにも、変種へんしゅがあって、いろうつくしい稀品きひんがあります。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
吾が同郡どうぐんをかまち旧家きうか村山藤左ヱ門はむこの兄なり。此家に先代より秘蔵ひさうする亀の化石くわせきあり、つたへていふ、ちか山間さんかんの土中より掘得ほりえしといふ、じつに化石の奇品きひんなり、こゝあげ弄石家ろうせきかかんまつ
姿にしても其通そのとほりだ、奈何いかにもキチンとしまツて、福袢じゆはんえりでもおびでも、または着物きものすそでもひツたり體にくツついてゐるけれども、ちつとだツて氣品きひんがない。別のことばでいふと、奥床おくゆかしい點が無いのだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
宮廷には父王とその千人の妃があり、それに対して新王は、恋愛のことにははなはだ理想主義的であって、理想の女のほかには妃嬪きひんを寄せつけない。
東曲輪の大きさは、二十四間に六十間で、三つのうちで最も小さく、中曲輪は信玄の居所、築山泉水毘沙門堂びしゃもんどうなど多少風致を備えていた。西曲輪は姫嬪きひん住坊すまい、人質曲輪とも呼ばれていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
貴嬪きひん、歌仙が、心を澄ましてその下に敬神の実を挙げられたる旧蹟、これぞ伊勢、八幡の諸廟と並んでわが国の誇りともすべき物なるを
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)