氣品きひん)” の例文
新字:気品
二人とも氣品きひんと聰明に滿ちた顏をしてゐた。一人は、確かに他の一人よりも心持黒い髮をしてゐる。そしてその髮の結ひ方はお互に異つてゐた。
姿にしても其通そのとほりだ、奈何いかにもキチンとしまツて、福袢じゆはんえりでもおびでも、または着物きものすそでもひツたり體にくツついてゐるけれども、ちつとだツて氣品きひんがない。別のことばでいふと、奥床おくゆかしい點が無いのだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)